誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その四




啓:樋口啓輔 風:桐生風花 夏:結城夏子 麻:飯田麻美 元:桐生元樹 博:麻生博
理:麻生理香 弥:西野弥生 洋:三上洋子 恭:真鍋恭平


【バント】
啓:一度やってみたいことがある。
夏:……まあ、聞こうじゃない。
啓:セーフティーバント、スクイズ、スリーバント失敗。
夏:え、失敗していいの?

【死んでも治らない】
博:真鍋先輩のポジションを奪うべく襲撃をかけてきたんだ。
啓:お前……。
博:そしたらな、やよ、三上両先輩に返り討ちにされてな。
 いやあ、流石の俺も死を覚悟したね。
啓:お前は一度死んだほうがいい……。

【朱に交わる前に、引き離す】
啓:現代魔法学の権威であるこのオレが、実際に使えないというのは問題だと思う。
博:確かにな。
啓:そこで特別講師をお招きした。
麻:……いえーい。
風:啓輔たちはいったい何を――
夏:いいから! 理解しなくていいから!!

【意味のないほうは経験済み】
啓:――夢がある。
夏:またしょーもないことでしょ?
啓:電話をかけて渋い声で「私だ」と言うんだ。
夏:いつでも出来るでしょ。
啓:オレだと判んなかったら意味ないんだよー!!

【予想通りの低レベルの戦い】
啓:真鍋先輩はやよ先輩と喧嘩したことないんですか?
恭:あるとも。
洋:きっかけは、大体食べ物。
恭:三日前の原因はホワイトチョコだった。
啓:……そう、ですか。

【それ見てて怖い】
啓:では三上先輩とは?
恭:そりゃあるさ。
啓:ど、どんな喧嘩を?
弥:淡々と罵りあうの。

【良心です】
啓:理香はリアルファイトを家以外でやらかしたことがあるか?
理:何を言っているんですか?
啓:家以外で本気を出して戦ったことあるかい?
理:まあ、異種格闘交流とかでなら……。
夏:理香って真面目よね……。

【女子が冷たい目で見ている】
博:この麻生博、異性の身体にキョーミシンシンである!!
啓:男はみんなそうだ。ねえ先輩。
恭:ああ、そうだとも、宿命だ。なあ、桐生弟。
元:え?
博:否定は許さん!! お前だってあるはずだ、異性へのキョーレツなる憧れ!
 具体的に下着の中とか! さらに――
夏:博は……死んだほうが良いよね。

【本当に、馬鹿だよね】
啓:チョコレートを大量に食べ続けたら虫歯になるか検証してみたんだ。
夏:あんたって、本当に馬鹿だよね……。
啓:だがオレには歯磨きの習慣があったので、一ヶ月程度では何ともなかったのだ。
風:ふうん、それが今月の金欠の理由?
啓:……や、安売りしててね、いっぱい買ったらね、それしか食べ物がなくなってね。

【気持ちいいからー】
啓:近所に人懐っこいお犬様がおるのだ。
風:え、本当? 見たい!
啓:オレも敬意を払って頭や背中を撫でてやるんだが……。
風:やめるともっとやれって背中をどんと見せるよね。
啓:なんであいつらいつも偉そうなんだ?

【迷わず頷くあんちくしょう】
弥:調べ物があって、インターネットで検索すれば一発なのは判ってるの。
洋:暑いのね。
弥:うん、クーラーつけてもだめ。汗だく。助けて。
洋:人の部屋は暑くなってもいいと。
弥:うん。

【まず何につっこめばいいんだ】
博:この暑い中、PCゲームをやるのも悪くないとやってみた。
啓:いや、止めたりはせんが。
博:親父にアイスの消費量が尋常じゃないのでやめろと言われた。
啓:そこがつっこみどころなのか?
博:十八歳未満閲覧禁止なシーンで何も言わない親父をどう思う? 男としておかしくないか?
啓:…………。

【嘘】
啓:理香の異様なまでに猫に好かれる原因を突き止めた。
理:嘘吐くなです。
啓:前世がマタタビなんだ。
理:だから嘘吐くなです!!

【とりあえず敬っています】
弥:キョンくんちにも猫さんがいらっしゃるのだ。
恭:昨日は妹に餌を恵んで差し上げていたぞ。
弥:きっと自分の子供だと思ってらっしゃるんだよ。
啓:何故敬語?

【本末転倒】
啓:いざという時に備え、五百円玉貯金を始めたんだ。
理:あれ始めると頑張って五百円玉をもらえるようにするんですよねー。
啓:ああ、おかげで手持ちがなくなった。

【役には立つんだけど】
弥:この前息抜きに遊びに行ったんだー。
啓:どこにですか?
弥:デパ地下のお菓子コーナー。
啓:オレも金がないときよく行きます。試食品で飢えをしのぐんですよ。
弥:すごく見習いたくない一人暮らしの知恵だね。

【どっちにしても……】
啓:嫌な夢を見たんだ……。
夏:手持ちも貯金もすっからかんとか?
啓:いや、数学の試験で二十九点とった夢だ。あと一点で補習を免れたのに……。
風:赤点って三十からじゃなかった?
啓:え?
風:夢でよかったね。

【鬼】
洋:写真部は代々そこそこ成績優秀者が集まるのよ。
啓:……………………嫌味ですか?
洋:いちいち確認しないと判らないの?

【ああ、それそれ】
啓:投げ縄の練習をしようと思う。
夏:カウボーイ?
啓:それか!
夏:え?

【馬鹿野郎の正しい使い所】
博:じゃあ俺は射撃の練習をするぜ!
啓:これ以上強くなってどうする……。
博:三上先輩のハートを打ち抜くんだ!
啓:やめろ、殺す気か!?
博:それも愛!
啓:馬鹿野郎!!

【呆れじゃなくて哀れ】
理:間違って同じ雑誌を二冊買ってしまいました……。
啓:このブルジョワめ!!
夏:そんなことで……。

【判ってたまるか】
啓:成績上位者に聞く、試験で困ったときの対処方法!!
元:具合が悪くなったときは潔く報告し、保健室で受ける。
啓:そんなんじゃなくて、どうしても解けない問題が出てきたときだ!
元:諦めて次に行く。
啓:それで最後まで行ったオレの気持ちが判るか!!
元:…………。

【言葉が足らな過ぎる】
啓:夏子のストレス発散って何?
夏:野球部。
啓:ふぅん、投げ込むってこと?
夏:だから野球部に混じって練習することよ。
啓:判るかよ。

【似合わないにも限度がある】
啓:風花のストレス発散は?
風:やけ食い!
啓:すぐにばれる嘘つくのやめような。

【厨二病患者×2】
啓:主人公と言えば真の勇者だと思う。
夏:ファンタジー小説の話だよね? ね?
啓:故に、伝説の剣を求めて旅に出ようと思う。
博:待て! このパターンは伝説の鍛冶屋に作ってもらうルートだ!
啓:な、なんだと!? ふう、危なかった、このまま旅に出たら魔王に支配されるところだったな。
博:ああ、お前自分の立場を考えろよ。
夏:…………どうしよう。

【手加減を知らぬ男】
啓:男はな、いい感じの枝を見つけたらチャンバラをしたくなる生き物なんだよ。
夏:それは単に子供のまんまなだけじゃ。
博:啓輔を血祭りに上げた回数は、十や二十じゃない……。
夏:手加減しなさい、道場の息子!

【自分で出せるよ!!】
啓:ほれ、パンをやろう。
風:わ、ありがとう。わあ、ココア生地だあ!
啓:風花はチョコ系統が大好きだもんな。
風:ところで――
啓:五十円で、二つしか買ってません。

【シスコン、大いに怒る】
元:この前、啓輔が風花にチョコレートをあげていたんだ。
夏:いいじゃない、毒じゃないんだから。
元:あーんって! あーんって!!
麻:……元樹もやってもらいたいと。
元:いくら麻美でも怒るよ!!

【算数も苦手です】
啓:一人前の料理って実は大変なのだ。
風:どうして?
啓:料理本には大体四人前の分量が書いてあるんだ。
風:まさか割り算が大変とか言わないよね?
啓:…………ほら、ちまちま作るのって材料無駄にしそうでさ。
夏:その間が証拠よね。

【君も宇○くん!】
啓:最近野球部に混じって守備練習させてもらってるんだ。
風:嬉しそうだね。
啓:ああ、夢が叶ったんだ!!
風:なになに?
啓:ショートフライ、取り損ねてヘディング!!

【ジャンプ系ライバル】
麻:……ヒロインの一人として、萌え要素を増やそうと思う。
博:良い心がけだと思います、マスター。
麻:……啓輔がピンチの時に颯爽と駆けつけ
「俺に負けるまで誰にも負けるなって言っただろ」とか言う。
啓:そりゃ燃えのほうだ。

【飛躍】
理:女の子らしいスキルを身に付けたいです。
夏:例えば、家事能力?
理:それは啓くんじゃないですか。
麻:……つまりは理香っちは啓輔になりたいと。
理:なんでそうなるんですか!?

【びば☆金持ち】
夏:啓輔は家事万能だから将来は専業主夫にぴったりよね。
理:ただし金銭感覚がないという絶望的な欠陥があります。
風:問題ない♪

【そういう問題じゃないだろう】
啓:博は将来は道場継ぐのか?
博:山賊王に俺はなる!!
元:えっ……。
啓:近所に海無いじゃん。
元:え、ちょ、ええ?

【そりゃこっちのセリフだ】
風:喉が痛いよう。
啓:演劇部に混じって発声練習でもしたのか?
風:風邪なんだけど……。
啓:! その発想はなかったわ……。

【それは彼らが馬鹿友だから】
啓:主人公だから登場のシーンにも気合を入れなくてはならないと思う。
博:そうだな、専用BGMとかどうだ。
啓:ベタじゃね?
博:でも音楽の力は偉大だ。
啓:なるほど。歌と曲とで悩むな。
夏:なんでしょーもないことを真面目に相談できるんだろう……。

【お前が言うな】
弥:部屋を掃除してたらね、レア物を見つけたんだよー!
啓:おお、なんですか?
弥:ベッドの奥にあった六年越しの埃の塊!
啓:……レア?
弥:六年も掃除しないなんてないよう。

【揃って嫌と言われた】
啓:部屋が汚い人の言い訳として「自分に判るように置いてあるんだ」があります。
弥:てけとーにやって汚くなっていくんだから判るわけないじゃん。
洋:検討はつくくらいよね。
弥:覚えてるなら汚くなんないよね。
啓:冷静に分析しないで掃除してください。

【悪意はない】
啓:雨が降っていたがバイト先から頑張ってチャリで帰ってきた。
風:よく風邪引かなかったね。
啓:子供は風の子だからな!!
風:馬鹿は風邪を引かない、じゃない?
啓:………………。

【誰得】
博:俺は気づいた、啓輔の周りにはヤンデレがいないぞ!!
啓:いらんわ!!

【出来るならしてるって】
理:部屋を掃除しているとひょっこりいい物が出てきたりするんですよね。
啓:いや、こまめに掃除してるからないな。
理:何故それを勉学に生かせないのですか?
啓:なんでだろうな……?

【それでも美しい】
啓:オレはこの学校にいる間、どうしてもやりたいことがあるんだ……。
博:美術の先生のカツラを取りたいんだな?
啓:ああ、協力してくれるか……?
博:馬鹿野郎……俺たち、友達だろ……!?
麻:……なんて美しい友情。
夏:いや、動機が!

【常識人が可哀想に思える瞬間】
啓:昨日、カレーの材料を買って帰ったら猫に襲撃され、材料を奪われた。
夏:えっと、多数だったの?
啓:うん、囲まれて一斉に飛び掛られた。
 んで、泣きながら部屋に戻って、少し経ったら理香が材料を返してくれた。
夏:さっきから何につっこんでいいか判らない……。
理:啓くんのカレーは世界一です!

【北の大地はマジでパネェ】
博:北海道に旅行に行ったときだ。
啓:うまいもんばっか食ってきたんだな、この野郎!!
博:山に出かけたらヒグマに出会い、死に物狂いで逃げてきたよ。
啓:森の熊さんみたいなことにはならなかったのか。 博:いや、あれマジにヤバイ。
【何をしているんだ、この人】
弥:小さい頃ってさ、訳の判らんことをする訳さ。
啓:具体的に。
弥:庭にね、穴を掘ったんだ。狭いけど深い穴。
啓:家の人に怒られたんじゃないですか?
弥:いや、私が落ちて助けられた。

【寒かったから湯たんぽ代わりにした】
恭:中学生の頃、弥生が勝手に洋子のベッドで昼寝をしたことがあったんだ。
博:羨ましい……。
恭:どんなことしても起きなくて、仕方ないから一緒に寝てた。
博:羨ましい!!
啓:なんで床に落とさなかったんですか?
恭:冬だったからな。

【暗い部屋でなら倍率ドン!】
理:たまには大人しくしてようと、トランプを始めたんです。
啓:ソリティアか。
理:結構はまるんですけど、なんか虚しくなって……。
啓:ややもすると病んでいるようにも見えるな。

【謝れ!】
夏:バイト先にとんでもない人がいてね。
啓:趣味が、タバコ・酒・ギャンブルのおっさんだな。
夏:自称ヘレンケラー。
元:なんでだよ……。
啓:三重苦らしいよ。

【それはお約束だから】
啓:人間どこまで歩けるか試してみたんだ。
夏:あんた自転車でも同じことしなかった?
啓:四時間歩いて、迷子に気づいた。
夏:なんで同じことをするのよ!?

【二人ともおかしかった件】
麻:……そう人間は頑張ればなんだって出来る。
夏:あんたが言うととんでもなく胡散臭いわ。
麻:……私も頑張って念力で釘を抜きました。
夏:手でやんなさいよそのくらい!
博:いや、普通はくぎ抜きを使う。

【それは誰にも判らない】
啓:季節に服従した料理など真っ平ごめんだ!!
風:急にどうしたの?
啓:オレは、オレは秋に焼きいもとか、秋刀魚とかそういう縛りにうんざりしたんだ!!
夏:誰も無理強いしてないじゃない。
啓:だがオレは! 旬の食い物を食べたい!!
風:何が言いたいの?

【当たり前だ!】
啓:腹が減って眠れなくて徹夜して、授業中眠ってしまって怒られた。誰が悪いと思う?
風:啓輔。
夏:啓輔。
麻:……啓輔。
博:啓輔。
元:啓輔。
啓:くそう、パーフェクトじゃないか。

【ベッドで寝たいの】
理:布団の上げ下ろしは身体にいいんですよ。
夏:腰には良さそうね。
風:でも突然どうしたの?
理:和室にはベッドが似合わないんです!!

【お父さんは大変なのです】
麻:……和室に似合うもの、それは障子。
夏:破ってみたい。
麻:……もうやった。
夏:怒られた?
麻:……父にね「怒られるのは父さんなんだぞ!」怒られました。



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