誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その五




啓:樋口啓輔 風:桐生風花 夏:結城夏子 麻:飯田麻美 元:桐生元樹 博:麻生博
理:麻生理香 弥:西野弥生 洋:三上洋子 恭:真鍋恭平


【主婦の発言】
啓:オレは! かつてこれほど秋を憎んだことはない!!
夏:なしたの?
啓:晴れだと思って外に洗濯物を干したら雨降りやがった!! しかも干した十分後にだぞ!?
夏:……大変ね。

【金欠を助けてます】
啓:世にある限定版というものは通常版よりも高いことが常だ。
夏:何を当たり前のことを……。
啓:そしてオレは、その限定版を良く買う。しかしその品であまり楽しんだりはしない!!
風:私は啓輔を殴る権利はあると思うの。

【なんて酷い言い方なんだ】
元:あまりに気に入った本があってね、夢の中にまで内容が出てきたんだ。
麻:……病んでるわね。
元:麻美に言われるとぐさっとくる。

【童心に帰れない】
啓:童心に帰り、博とヒーローごっこをした。
夏:馬鹿でしょう、あんたら……。
啓:案の定、理香に駄目だしされた。
博:演技指導がな、厳しいんだ。

【発想とか】
麻:……世界征服って面倒よね
啓:それをしようとすることでしょうか? したあとのことでしょうか?
麻:……慈善活動よね。
啓:麻美は本当にすごいよな。

【どっちにしろ死ぬ】
啓:部屋が寒いが、暖房を入れると金がかかる。
夏:凍死よりはいいんじゃないの?
啓:貴様はオレに餓死しろと言うのか。

【麻生が普通になる瞬間】
博:真面目に試験勉強をしていたら、門下生に意外だと言われたことがある。
理:こう見えても私たちは試験前くらいは勉強するのです。
元:普通は毎日するものだけど……。
夏:そっちのほうが普通じゃないわよ。

【薄々承知していました】
啓:やりにくい昔のゲームをやっているとやになるよなー。
理:やめたらいいじゃないですか。
啓:だが、そこがいい。
理:啓くんやっぱりドMさんです。

【高かったらしい】
啓:博の親父殿に「お前には落ち着きが足らん」と言われて釣堀に連れて行かれたんだ。
元:まあ、釣りってじっとしてやるもんだよね。
啓:竿を破壊した。
博:その後啓輔は井戸に放り込まれたという。

【また井戸に放り込まれた】
啓:まあ博の親父殿には感謝はしているが、少々恨みもある。
博:そこで俺達は復讐をしかけたのだ。
元:結果なんて聞きたくない。
理:案の定、返り討ちです。

【退社するとき】
啓:日本語とは美しくカッコ良いものだ。
元:そうだけど、君が言うとなんかありそう……。
啓:一度で良い「一身上の都合により……」と使ってみたい。
元:大人になったらあると思うよ。

【店内アナウンス】
麻:……まあ、確かに使ってみたい日本語ってあるわよね。
風:どんなの?
麻:……「いらっしゃいませ、こんにちは。
 本日も当店にご来店、ご利用いただきまして、誠にありがとうございます」
風:あ、判る判る!
啓:普通の人はやらんなあ……。

【そして彼は星になる】
啓:花を貰って喜ばない女の子はいないと聞いた。
夏:それ嘘よ。
啓:ほほう、夏子は女の子じゃないと。

【小さすぎでもある】
博:常識内の現金ならば貰って喜ばない貧乏人はいないと思うぞ。
夏:その常識を聞こうじゃない。
博:ひゃくえん。
夏:そう、ね……。

【言い方は人それぞれである】
啓:バイト先でな、おばちゃんが意を決したように叫んでいた。
「私、夜の女になる!!」
博:そこはかとなくやばい発言だな。
夏:ただ単に夜をメインに入るってだけよ。

【曖昧だ】
啓:担任の教師と将来の夢について語っていた。
元:君はたまに微笑ましいことをするな。
啓:んでオレは「人の役に立ちたい」と言ったら「抽象的過ぎる」と返された。
 どう思う?
元:抽象的過ぎると思う。

【釣りですとも】
啓:夏に麻生一家と海に行ってな。
夏:溺れたの?
啓:それでもオレは竿を手放しませんでした。
夏:泳いでたんじゃないの?

【ああ、やっぱり】
博:夏の海といえば釣りだろう。
夏:そういうのも悪くないけどさ――
博:無論、性的な意味で。
理:ね?
夏:…………。

【最後の何?】
理:桐生さんちの長期休暇ってどうなんですか?
風:夏なら避暑だよね。
元:冬はイベント尽くしだからこれといってないね。
理:冬ってクリスマスに、お正月に、麻雀と忙しいですよね。

【発想は悪くないんだけど】
啓:光熱費削減のため、外に出るときはブレーカーを落とすことにしたんだ。
夏:…………。
啓:冷蔵庫も、電気で動いててな……。

【欠点、たまに口が悪くなる】
夏:うちの店長って気さくなおじさんなの。
啓:パート・バイト共に大人気。
理:良い上司がいる職場ってなんかいいですねー。
啓:ただな、ミスしたオレに対して「歯、食いしばれ」はないと思うぜ。

【当たり前だ!!】
博:大人版、砂遊び! と題して庭を掘り返したんだ。
啓:楽しそうだな!
夏:…………そう、ね。
博:親父殿だけじゃなく、母さんにまで怒られたぜ!!

【どの口がそれを言う】
啓:一度お菓子の家に住んでみたい。
元:それって柱もお菓子なの?
理:テレビで見ましたけど、それは木製で、チョコでコーティングしてました。
啓:食べ物を粗末にしている!!
元:食べきれない量を使っている時点でさ……。

【それきっと説教ではない】
啓:この前、ゴミステーションでカラスに説教してきた。
夏:どう反応しろと。
啓:結果、カラスはオレを見るなり攻撃するようになったぜ!!

【これだけ聞くと】
啓:鍵盤ハーモニカを見つけたので、夕焼け小焼けを弾いた。
理:……啓くん、何かあったんですか?
啓:病んでるっぽいよな。

【タイピングの話だ】
啓:オレはこう見えても一本指打法だ。
風:……足じゃなくて?
啓:パソコンの話だ。
風:?

【言わんでも判る】
夏:冗談で空手部に殴りこみに行ったの。
啓:やめろ。
夏:まだ何も言ってないじゃない。

【予想していた通り、真面目に言葉を受け取っちゃいけない】
弥:私も空手部に殴りこみに行ったことがあるよ!!
啓:……何でですか?
洋:生徒会に、写真を撮ってくれって頼まれたから。

【冬眠か】
啓:冬に備えて太ろうと思う。
理:啓くんは熊ですか。

【ノリだけの発言でした】
麻:……じゃあ私も冬に備えて念のパワーを高めておく。
夏:何故?
麻:……理由は特にない。
夏:…………。

【何故爆破する】
理:この前家族旅行したら、一泊二万とかの高級旅館の前を通ったんですよ。
啓:なんだそれ、爆弾放り込まれても文句いえないぞ。
博:いや、手榴弾だろ?

【不景気ですからー】
夏:たこ焼き屋の看板ってさ、派手なとこになるとたこが動くのよね。
啓:本場大阪は当たり前らしいな。
夏:たこが動いてて、シャッターが閉まってた。
啓:それは……切ないな。

【仕事に集中してるから】
啓:バイトでさ、忙しいときって制服もめちゃんこ汚れてるんだ。
風:どうして?
啓:どうしてだろうな?

【馬鹿だからだよ!】
啓:同じくバイトの休憩中に、漫画を読んでいたら飯を食い損ねた。
夏:知ってたけど、あんた馬鹿でしょう?
啓:何故、みんなと同じことを言うんだ!

【理香ちゃんはよく小学生に間違えられます】
理:女性は胸筋を鍛えなければならないと知りました!
夏:ああ、将来を考えるとね……。
麻:……まあ、損はないでしょう。
理:やっぱりですか!!

【小さな頃には男女の区別はなかったという話だった】
博:幼馴染特権といえば、小さい頃一緒にお風呂に入る、だ。
弥:今でもやるよ!!
博:なんだと!?
弥:あー、洋子にだよ? 洋子に、だよ? 洋子だよ?
博:判ってますって! うまやらしい!!
啓:いや、なんか話変わってねえ?

【つっこみ待ち?】
弥:洋子に気を使って、カーテンしてヘッドフォンして音楽聴いてたの。
啓:うん、まあ、なんでしょうか、なんて言ったらいいのか判りません。
弥:寂しかった。

【何してるの……?】
博:三上先輩の可愛いところを教えてください!!
弥:一度寝たら何をしても起きないとこかなあ。
恭:大きな地震があっても寝てたな。
弥:すごいよね、服を脱がしても起きなかったんだよ。
博:!?

【やっぱり】
弥:中学生の頃、熟睡した洋子がどのくらいで起きるかという実験をした。
啓:本人の承諾は?
弥:ない!!
恭:起きた洋子から、弥生は無言で殴られ続けた。

【いくらなんでも】
博:それで、一体何をしたんですか!!
啓:キョーミシンシンだなあ……。
弥:貞操を奪う。
啓:――!?
博:何故呼んでくれなかったんですか!?
弥:冗談だよ……。

【お嬢様は虚弱につき】
風:ちょっと無理をして部屋で本を探していたの。
啓:そりゃデンジャラスですな。
風:気がついたら貧血で倒れてた。
啓:無理も無茶もやめような。
風:ちょっとそう思った。

【さて、どういう意味でしょうか】
博:ドラムをやってみたいと思ったんだ。 啓:カッコ良いわな。
博:だが腰を痛めると聞いてやめた。
啓:そんくらいでかよ!?
博:腰は男の命だぞ!?

【落ちぶれたもんだ】
博:俺は愛に生きるファイターなので剣は手放せないんだ。
啓:お前の標準武器は竹槍だろう。
博:達人は武器を選ばん。
啓:何が言いたいんだ?
博:啓輔にそう言われるとこう、来るものがあるな。
啓:どーゆー意味だ?

【何か違う】
弥:勉強したくないので、部屋の掃除をした。
洋:勉強しなさいよ。
弥:洋子は掃除しなよ。
洋:嫌よ。
弥:私だって嫌なんだ。

【ちょうがつくほどのドSにつき】
啓:三上先輩が部屋で大きな音を出したことはないんですか?
弥:そーだねー、洋子はゴキさんを見てもほぼ表情変えないからね。
恭:新聞片手に追い詰めるからな。
啓:え。
弥:一撃で仕留められるのにね。

【弱点じゃないよ】
理:何か弱点があるほうが女の子としては得のようです。
風:わたし、料理が出来ないよ。
理:それは確実に損をします。

【そうだろうね……】
弥:昨日、洋子に食べかけのお弁当を貰ったの♪
博:うまやらしい……!!
啓:それよか、どうしてやよ先輩はそんなに嬉しそうに言うんですかね。
弥:愛だよぉ〜♪

【認められた乙女スキル】
啓:この前肉じゃが作るのに失敗した。
夏:なしたの?
啓:砂糖だと思ったら塩を使っていたんだ!!
夏:あんたにしちゃ、珍しいミスね。
啓:くそう、オレとしたことが!!
理:なんか、羨ましいです……。

【努力の放棄とも言う】
理:ありのままの自分を受け入れることが大事だと思うのです!
啓:どうしたんだよ?
理:料理が出来なくとも、私を愛してくれる殿方はきっといるはずなんです!
啓:おお、前向きだ。

【馬鹿と常識人と天然】
啓:昨日、野良犬とリアルファイトしてきた。
夏:………………。
啓:大家のおばちゃんに水ぶっかけられてその戦いは終わった。
風:風邪引かなかった?
啓:オレは丈夫が取り柄なんだ。
風:啓輔すごい!

【だれが上手いことを言えと】
理:料理の出来ない私ですが、千切りくらいは出来るのです。
啓:千人切りの間違いだろう。
博:おぬし、なかなかやりおるな……。

【しかも間違ってるし】
理:縁側でお昼寝してたら、五匹ほど猫さんが一緒に寝ててくれました。
啓:この野生児が。
理:啓くんに言われると滅茶苦茶むかつきますね。

【どうしたんだよ】
啓:居合いの練習をしたんだ。
風:どうして?
啓:どうしてだろうなあ……。
風:それは啓輔以外は判らないことだよ。
啓:それもそうだなあ……。

【自覚なし】
啓:ギャルゲーにおける主人公というのは大体「なんでお前みたいなアホウがこんなにもてるんだよ!!」
 というものらしい。
博:……まあなんだ、鏡を見ろ。
啓:?

【それは年下に使う言葉だと思ってた】
恭:あー見えて、洋子は弥生を可愛がっているんだ。
元:先輩たちは同い年でしたよね?
恭:当たり前じゃないか。
元:いや……うん、なんでもないです……。

【この人これでも十八歳なんだぜ……?】
弥:昨日ね、ベッドをね、新しくしたの。
啓:へえ、良かったですね。
弥:ぼよんぼよんって飛び跳ねてたら、中のスプリングが壊れた。
啓:……で、誰に怒られたんですか?
弥:お母さん。

【嘘だあ】
啓:三上先輩って怒られたりするんですか?
弥:私私。
啓:怒るんじゃなくて、怒られるほうですって。
弥:だから私が一番怒ってるんだって!

【事実だから】
弥:洋子なんてね、悪いことしかしないんだから!
洋:…………。
啓:なんで否定しないんですか!?

【部屋の主は読書をしていたという】
弥:この前勉強が嫌になって洋子の部屋に突撃したらねー。
啓:怒られたんですね判ります。
弥:そーじゃないよう。珍しく歓迎されたの。
啓:そりゃ裏がありますね、絶対。
弥:うん、部屋の掃除させられたよ……。

【ちょっとそれ意味が判らない】
啓:三上先輩、でも部室はちょこちょこ掃除しますよね。
洋:自分の部屋じゃないから。
啓:……え?

【でも事実】
啓:オレに今もっとも足りないものは――
夏:賢さ、か。
啓:しみじみ言うな、人の言葉を遮って言うな!

【胸が締め付けられます】
風:わたしに足りないものは健康なの。
啓:笑顔で言うなよ……。



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