誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その六




啓:樋口啓輔 風:桐生風花 夏:結城夏子 麻:飯田麻美 元:桐生元樹 博:麻生博
理:麻生理香 弥:西野弥生 洋:三上洋子 恭:真鍋恭平


【まずフォローしてやれ】
啓:バイト先のパートのおばちゃんの神業っぷりに感動して思わず告白してしまった。
夏:ああ、それで騒いでたのね……。
風:――――!!
啓:そのおばちゃん、すごいんだぞう。

【そりゃ嫌われるねー】
博:一世一代の告白を無碍にされるのは辛い。
弥:洋子に何回言ったの?
博:会うたびにです!
弥:そうかあ。

【要はうるさい】
啓:学祭のときって、やよ先輩壊れるじゃないですか。
恭:毎年そうだなあ。
啓:どんな感じですか?
恭:広い視野で見るといつも通りだ。
啓:どういう意味ですか。

【腕っ節で勝てないのは判ります】
風:啓輔って博くんや理香ちゃんと喧嘩したことあるの?
啓:まあ、そらなあ。
風:えーと、殴り合い?
啓:そうなるんだけど、まず勝てない。
風:じゃあ口喧嘩?
啓:それはもっと勝てないな。
風:え?

【僻みか】
博:久々に親父殿に井戸に放り込まれた。
啓:何やったんだよ。
博:うむ、イケメンが門下生になりたい言って来て、理由を聞いたら
「彼女を守るために強くなりたいんです!」と爽やかに言ったから殴ってやった。
啓:気持ちは判るんだが……。

【背の高い奴から殺す】
博:理香だって結構酷いことをするぞ。
啓:そうか?
博:背の高い奴には容赦しない。
啓:ちびっ子だもんな……。

【無意識レベルで兄貴ぶってました】
啓:理香には同い年の友達はいないのか?
理:いるに決まってるじゃないですか。
啓:麻美や夏子とばっかり遊んでいるように見えたんだ。
理:なんで啓くんにいちいち私の交友関係を知らせなくちゃいけないのですか?
啓:むぅ……。

【天気予報は良く見ましょう】
啓:少々の雨を気にせずチャリで買い物に出かけたんだ。
夏:濡れて帰ってきたのね。
啓:うん……まさかあんな大雨になるなんて……。

【それは無理だ】
啓:ピアノは練習しないと弾けないと思ったから、マリンバに挑戦した!
風:……何故?
啓:案の定弾けなかった!!
風:あの、話を聞いて。

【ため息をつきつつ】
理:楽器弾けるのっていいですよねー。
博:俺たちにはソプラノリコーダーがあるじゃないか!
啓:カスタネットにシンバルもだ! あとトライアングル!
理:クラリネットとかカッコ良い楽器を弾いてみたいです。

【女王さまと下僕】
麻:母につきたてのお餅が食べたいと甘えられたので、麻生家に電話をしました。
博:いきなり臼と杵を持ってこいと言われました。びっくりだよ。
啓:でも持ってったんだろ?
博:うん、重かった。

【最初の認識が違う】
風:この前お昼寝して、起きたら病院だったの。
啓:!?
元:貧血起こして倒れたんだよ!!

【本末転倒】
啓:じっとゲームや読書するのは身体に良くないと思い、スクワットしながらやってみた。
夏:……普通にすごいわね。
啓:内容が頭に入らないという致命的な欠点があった。

【勝てると思ったらしい】
博:脚力に自信があったのでミニ四駆と競争してみた。
夏:あんたもすごい馬鹿でしょう?
博:負けた……。

【オレはビンボー学生!】
啓:オレは本気で犬と徒競走をしたことがある。
夏:勝てると思ってやったの?
啓:大家さんに勝ったら家賃下げてやるって言われて。
夏:うん、受けるね、その勝負……。

【何と間違ったんだ】
啓:眠いと人間何をしでかすか判らんもんだ。
風:何をしたの?
啓:冷蔵庫に割り箸を入れていた。
風:……眠かったんだ。
啓:うん……。

【悪夢条件クリア】
理:ある夜、私はうなされて目を覚ましました……。
風:悪夢を見たんだね。
理:いえ、胸に猫が乗ってました。

【政党かい】
風:犬もね、可愛いんだよ。
理:それは判りますけど、私は猫派なんです。
風:派閥があるんだね。

【やっぱり知らなかったか】
啓:最近バイト代わりに出てくれって頼まれるんだ。
理:思わぬ稼ぎ時って奴ですか。
夏:試験近いの知らないの?
啓:え。

【なんでだよ】
洋:試験のためだけの勉強なんて長い人生を思えば無意味だわ。
弥:じゃあ洋子は部屋の掃除をしなよ。
洋:なんでよ?
弥:お互い嫌なことをするべきだ!

【悪気があって言っているわけじゃないから】
啓:オレは小さい頃、ゲームの世界に入って勇者になるのが夢だった。
風:頭打ったの?
啓:風花に言われると胸がとても痛くなるな。
風:?

【逆に悪意だけの人】
弥:私は小さい頃、お嫁さんにだけはなりたくないと思っていた!
洋:貰い手なんていないから安心しなさい。
弥:うるさいなこのやろう!!

【恥ずかしくて出来ません】
啓:啓輔先生のお手軽ヒーロー術!!
理:おお。
啓:駅で改札に定期を入れるときに「変身!」と言う。
理:…………。

【それ以外何になれと】
啓:昨日テレビを見ていたらすっげぇ歌の上手い人が出てたんだ!
風:そりゃあ……そういう職業があるから……。
啓:もうすっげぇびっくりしたから職業調べたら「歌手」って書いてあったんだよ!!
風:……そう。

【先手必勝】
啓:漢の夢、ガンプラに手を出そうと思った。
風:買うお金がないのね?
啓:うん……。

【逮捕はされたくないです】
博:男の夢といえば、女風呂を覗くことだ!
夏:通報しておいた。
博:嘘です冗談です!!

【むしろ誰もが欲しがるものです】
啓:女の子の夢ってなんだ?
風:健康になることかな。
夏:それは性別関係ないねー。

【何故】
恭:俺も昔、弥生と洋子に「女の夢」というものを聞いてみたんだ。
啓:どんな答えでしたか?
恭:二人とも殴りかかってきた。

【本気で料理のことを聞かれたと思った】
麻:……正しい暇の潰し方。
啓:鰻の蒲焼をほぐして――
夏:ひつまぶしねー。
啓:なんだと!?

【静電気】
博:冬の俺の属性は雷なんだ。
啓:奇遇だな、オレもだ!
風:二人とも下敷き持って何してるの?

【喧嘩のほうがマシでした】
博:理香がトランプタワーを作っていたので、完成と同時に破壊してやった。
啓:……喧嘩になったんだな。
博:一週間経つんだが、未だに口をきいてくれん。

【罠】
弥:私もね、洋子が暇つぶしに作ったクッキーを全部食べてやったよ!!
啓:怒られたんですか?
弥:全部辛くて驚いたよ!!
恭:先手を打っておいたが真相だ。

【普通そこまでやらない】
弥:小さい頃の洋子はそれはもう無邪気だったんだから。
啓:胡散臭いにも限度ってもんがありますよ。
恭:花火をつっこんだり。
弥:蟻の巣にバケツで熱湯を流したり。
啓:熱湯!? しかもバケツで!?

【たぶん母特有の力】
博:忘れられぬ敗北がある……。
啓:聞こうじゃないか。
博:道場にゴキさんが出て、それを仕留めようと竹刀を取ったその瞬間に――
理:ああ、お母さんのスリッパが炸裂したやつ?
博:言っとくがな、うちの母は武術などなんもやってないんだぞ。

【何言ってんのこの人たち】
博:三上先輩に好かれるコツを教えてください。
麻:……まず、西南西の方角に念を送ります。
博:北東になら出来るんですが……。
麻:……西南西じゃないとだめ。

【かぶりますので】
理:牛乳を飲み続けると身長が伸びて、胸も大きくなるそうです。
麻:……遺伝の問題だから諦めたほうがいい。
理:何故全否定するのですか!
麻:……キャラ的に考えて。

【何をしでかした】
理:以前啓くんに土下座されてネット通販したんですよ。
風:……なんてことをしたの。
理:今思うとまさにそれなんです。

【駄目な人】
弥:通販楽しいよ!!
恭:楽しすぎて貯金が大変になった弥生が通りますよ。
弥:うわーん!! けけくんバイト紹介してー!!

【そんな話されましても】
麻:……人間誰しも向き不向きというものがあるのです。
啓:慰めのつもりか!
麻:……私もね、念を飛ばすのは得意なんだけど、一点に集中させて破壊力を上げるって言う――
啓:…………。

【女子に死ねって思われる言動】
博:俺も竹槍なんぞ持っているが、実は突きというのは苦手なのだ。
啓:竹刀のほうが使いやすいってか。
博:ただし下半身は別だ。

【なんとなく深そうな話】
麻:……私もたまには物理的な力が欲しいと思うわけですよ。
啓:無敵になるじゃないか……。
夏:博は違うの?
麻:……そういう意味じゃないと思うの。

【うっとおしいと思われている】
啓:見えない力って例えば何?
元:財力とか権力とかそういうこと?
風:……独占欲じゃないかな。
元:姉さん……。

【一晩中戦った】
啓:寝不足だ……。
風:どうしたの?
啓:ゴキさんとの仁義無き戦いに決着が付かなかったのだ。
夏:殺虫剤、買ったほうがいいよ……。

【平和です】
麻:……私も母と一晩中戦ったことがある。
風:トランプ?
麻:……オセロ。

【道場の一角のほのぼの風景】
理:精神集中のため、座禅を組んでいました。
啓:猫に襲われたんですね判ります。
理:いえ、膝の上でお昼寝されて動けなくなりました。

【それよりも病院に行ってくれ】
風:わたしも似たようなことあるよ。
理:風花さんのおうちだとわんこさんですね!
風:犬の散歩中に貧血起こして倒れたらしくて、犬が必死にわたしを他の人から守ってくれてたの♪
理:忠犬ですね……。

【正しい対処の仕方】
博:寝ぼけて裸で理香の部屋に行ってしまった。
啓:わざとだろう?
博:もちろんそうなんだが、あいつ冷静に電話を取りやがった。

【痛みの中に感じる甘酸っぱさ】
弥:夜に洋子の部屋に遊びに行ったことがあってさ。
啓:そりゃ迷惑ですな。
弥:オール無視で着替えられたときはちょっとどきどきしちゃった。
啓:そりゃあ……どういう意味でしょうか。

【ポジティブシンキング♪】
啓:テレビでな、歌手が気持ち良さそうに歌ってたからカラオケに行って来たんだよ。
理:それはそれは刹那的に生きてますね。
啓:自覚できるほどの音痴っぷりに感心したよ、オレもやれば出来るもんだ。
理:なんでそこで前向きになれるんですか。

【否定しろ本人】
弥:こう見えて洋子さんにゃ隠れた特技があるんだ。
啓:暗器ですね判ります。
弥:……なんも違和感ないね。
洋:そうね。

【標的は幼馴染】
弥:だから洋子の隠れた特技だよー。
洋:なによ!?
啓:なんで軽くキレてるんですか、やよ先輩も早く言ってくださいよ、もう!!
弥:ダーツがね、上手いの。
啓:それは……。

【なんだったんだよ】
弥:私にも隠れた特技があるんだよ!
啓:ほほーう。
洋:公表したら意味がなくなりそうね。
弥:じゃあやめとくよ!
啓:…………。

【リアルでピンチだった】
弥:明るく楽しく生きているやよ先輩にも生命の危機というものがあったのだよ。
啓:三上先輩の逆鱗に触れたとか。
弥:そんなんしょっちゅうだよ。旅行先で山に探検しに行ったら猪に襲われたんだよ。

【平和すぎる家庭】
麻:……昨日母とかつてない真剣勝負をしました。
風:競技は?
麻:……花札。
夏:賭けたものは?
麻:……お風呂掃除当番。

【間違いではないが】
弥:私とて反省くらいするのだ!
元:それは人として当然のことで……。
弥:前洋子に千円分のお菓子買ってきてって頼んだらどうしたと思う!?
恭:千円分のポップコーンを買ってきたんだ。

【炊く時間を惜しみました】
啓:あまりの空腹に耐え切れず、生米を食ったときの後悔ったらないぞ。
夏:そう、でしょうね……。

【濡れてたら死んでます】
啓:理香が酷いんだ。
風:何をされたの?
啓:オレの顔が凶悪だと言って、寝ているオレに白いハンカチを乗せやがった。
博:乾いてて良かったな。

【愛が故に受け入れます】
弥:昨日、ほけーとしてたら洋子にケータイぶつけられた。
啓:なんもしてなかったんですよね?
弥:たぶん来たメールにむかつくことが書いてあったんじゃないかな。
啓:だとしたらものすごい八つ当たりなんですが。
弥:そうだねえ〜。



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