誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その七




啓:樋口啓輔 風:桐生風花 夏:結城夏子 麻:飯田麻美 元:桐生元樹 博:麻生博
理:麻生理香 弥:西野弥生 洋:三上洋子 恭:真鍋恭平


【その後二人は固い握手を交わした】
啓:タカスギという模型店があったんですよ。
弥:ほほう。
啓:全品八割増なんです。
弥:高すぎ!!

【たぶん、すごい連鎖が出来たんだよ】
理:兄貴の部屋から奇声が聞こえたので覗いてみたら……
夏:嫌な予感しかしないわね。
理:パズルゲームをしてました。
夏:意味判んない。

【せめて曲を選べ】
啓:男は鍛えなくてはならん!! と思って音楽を聴きながら筋トレをしたんだ。
理:健康的ではありますね。
啓:アップテンポの曲でな、筋肉痛になったよ。
理:……でしょうね。

【……がんばれ】
風:わたしも体力作りしようかな。
夏:まずは犬の散歩でばてなくなるとこから始めましょう。
風:難しい。

【そこか】
弥:この前、洋子のお母さんの依頼により洋子の部屋を掃除したんだけど。
啓:なんで本人にやらせないんですか……。
弥:黒のサインペンが二十本くらい出てきた。
啓:金持ちですね。
弥:だよね!

【そりゃすげえ】
麻:……昨日母さんがぼーっと料理を作っていたの。
夏:まあ、慣れたら無意識でやるわね。
麻:……おかげで一週間くらいシチュー祭りになりそうです。
夏:どんだけ鍋使ったの?
麻:……全部。

【僕は泣きながら首をぷるぷると振った】
啓:朝起きて、ふと頭に流れる曲が気になったんだ。
夏:たまにあるわね。
風:それで、授業中眠った言い訳として通じたの?

【まず走るのをやめよう】
啓:大雨の日はどうしても全力で走り抜けたくなるので、今回は雨合羽を着用した。
夏:いや、馬鹿のレベルは変わってないんですけど。
啓:ありゃ蒸れるな。どっちにしろシャワーを浴びないと風邪引くレベル。
風:気づいてよかったねー……。

【どっちにしろ勉強しませんから】
啓:随分前に買ったDVDを見たんだ。
元:それがこの前の数学の小テストの点数の言い訳?
啓:ごめんなさい、関係ないです……。

【哀愁だけのまなざしで】
啓:バイトの先輩たちに豪快に昼飯を奢ってもらったその夜は、昼飯を思い出しながらもやしを食うんだ。
元:………………。
風:うちね、一人くらい全然平気だよ?

【そうじゃない】
弥:目の前にさ、お尻があったら突付くのと撫で回すの、どっちが礼儀として正しいと思う?
元:え?
弥:ああ、聞く人間違えた。
元:え、いや、その、やよ先輩!?

【疲れるから】
恭:正しい弥生のあしらい方ー。
洋:聞いているふりか、スルー。
元:…………。
恭:まともに取り合うな。な?

【たぶん日頃の行い】
博:野菜不足だと母に言われ、父に縛り上げられ、妹に鼻をつままれ、無理矢理野菜ジュースを飲まされた。
啓:………………何故そこまで?
博:俺にもさっぱり判らんのだ。

【付き合いが長い分遠慮がない】
啓:この前博の親父殿に「啓輔に足りないのは良識だ」と言われた。
博:さすが俺の親父殿だな。
理:お父さん、とっても正しいです。
啓:…………。

【たぶん、喧嘩を売り出したのは博】
博:理香と模範演舞をやっていたんだ。
啓:お前ら、師範代だっけな。
理:気がつけば生命のやり取りをしていました。

【基本です】
博:親父殿の部屋の掃除を手伝っていたら、遺書が見つかってね。
啓:全然元気だろ、お前の親父殿……。
理:でも、書いておくことに越したことは無いですよ。
博:「部屋のPCと外付けHDを破壊してください」って書いてあった。

【目が怖かった】
啓:オレが酷く常識的で、そこそこの成績を収めるような奴だったらこの物語成立しないと思うんだ。
夏:人の迷惑考えてから言おうね……。
啓:は、はい……。

【ただの買い置きだと思ったらしい】
風:少しでも栄養を取ろうと、水じゃなくて野菜ジュース、
 フルーツジュースを飲むことにしました。
啓:おお、オレも見習いたいくらいに良い案じゃないか。
風:元樹に全部飲まれました。
元:知らなかったんだ……。

【手がつけられなくなるじゃないか】
夏:あたしもちょっと武道というものに興味があるの。
啓:やめてくれ。
博:お断りだ!!

【それ興味ないと思う】
理:お友達に「宝塚にだけは手を出すな」と言われているのです。
夏:あー判る判る。カッコ良いもんね。はまったら帰ってこれなさそう。
理:葛藤してもう一年になります。

【ちょっと期待してた】
啓:ちょっと気分が良くなって歌を歌っていたら、大家のおばちゃんに怒られた。
風:……当たり前でしょう。
啓:もうすんじゃないよ! とお説教と世間話を食らい、お土産に饅頭を貰った。
夏:次騒いだら拳骨貰えるんじゃない?
啓:…………あ、当たり前じゃないか。

【やだこの人】
麻:……宴会芸の一つや二つ、出来ないといけないと思うの。
夏:そんなことはないと思うけど……。
麻:……シルクハットから鳩を出すつもりだったんだけど、カラスが出た。
夏:それ、仕込みの段階で気づくよね?
麻:……だからこそ、ミステリー。

【どういう意味かな……?】
博:俺は弓は使えるんだが、拳銃は使えんのだ。
夏:ここ日本だよ?
博:おっと、ふあはっはっはっはっはっ。

【気がつけば認められている】
理:私の一番得意な武器は槍なんです。
啓:麻生もう何でもありだよな……。
理:ところで夏子さんは?
夏:え、何であたし?

【確かに】
麻:……自分の行動が出来ないときー。
夏:あ、あるんだ……。
麻:……真冬、毛布に包まってストーブの前でアイスを食べているときー。
夏:意味判んないね……。

【年頃の男の子に言う言葉ではない】
啓:家庭菜園を始めようと思うんだ。
理:ほほー、ちょっとした自給自足ってやつですね。
夏:…………主婦みたいね。

【実在します】
啓:写真部が甲子園を目指してもいいはずだ!!
弥:けけくん、やる気になってくれてお姉さん嬉しいよ!!
啓:へ? いやそんな。
洋:写真甲子園、締め切りは来月ね。
啓:え?

【隠された特技】
博:女子にモテたいのでビリヤードを始めた。
啓:見た目はカッコ良いわな。
博:桐生の双子にめたくそにやられた……。

【判らなくもない】
夏:この前理香のおうちに遊びに行ってさ。
啓:博の家じゃないのか?
夏:そこは譲れないわ。
啓:そ、そういうもんかな……。

【たぶん、草野球に誘われたんだよ】
夏:麻生の不思議。
啓:聞こうじゃないか。
夏:おじさんが真剣な顔で素振りをしていた。
啓:あそこは剣も教える――
夏:野球バットね。
啓:…………。

【なら自分の手でやろうぜ】
風:わたしもいきなり麻生のおじさまに折り紙渡されたことあるよ。
啓:なんで?
風:鶴を折ってって頼まれたの。
啓:お見舞い、かなあ。
風:そうじゃない?

【つっこみどこはそこか】
啓:隣りのおにーさんの部屋に大家さんからの預かり物を渡しに行ったんだ。
風:ふうん?
啓:アイドルの歌に合わせて踊っていた……。
風:ノックしたの?

【判りません】
啓:こう寒いとさ、ツイスト踊りたくなるよな。
博:あー判る判る。
夏:!?

【マシンガン、弾はたまに変わる】
弥:こう寒いと嫌でも口が回るよね。
洋:いつも通りじゃない。
弥:え、そうかな?
恭:いつも通り寒さに対して文句を言っている。

【その手があったか!】
啓:寝るとき寒いので、洗濯物を毛布の上に乗っけたんだ。これがまた暖かくて。
夏:夏用の毛布をかけたらいいんじゃないかな……。
啓:!?

【徹底抗戦】
風:毎年季節の服って買っちゃうのよね。
啓:成長期だからな。
風:流行あるし、去年のはちょっとってデザインだしね。
啓:成長期だからな!

【高校生まで】
風:ようやく見つけたの。わたしでも食べきれる、外食メニューが……。
啓:……うん、なに?
風:お子様ランチー♪
啓:な、なるほど……。

【似たような馬鹿の末路】
夏:ブーツを買ったの。
啓:かかとに鉄とか仕込まなくても、充分に破壊力があるから問題ないぞ。
夏:…………。
理:啓くん、それ兄貴と同じコースです。

【でも食べました】
理:一人暮らしの醍醐味とは!
啓:冷凍カレーを解凍して食べるときのドキドキ感だ!
理:冷凍してるんですもん、大丈夫に決まってるじゃないですか。
啓:一ヶ月前のは怖くてたまらなかったぞ。

【珍しい啓輔の正論】
理:……待ってください。なんでカレーが余ってるんですか?
啓:オレだってたまに一人でカレー食いたいんだよ。
理:理由になってません!!
啓:というか人んちの晩飯奪うの止めろよ!

【でなかったらなんだっていうんだ】
啓:たんすの中に箸が入っていたときはびっくりした。
風:そりゃあ……びっくりするだろうね……。
啓:寝ぼけてたらしいな。

【ポジティブ?】
夏:あたしは箸たてを冷蔵庫に入れたことがある。
啓:夏はいいんじゃないか?
風:そういう問題じゃないよ。

【どっちにしても迷惑】
啓:この前麻美がカッコ良かったんだ。
夏:おおよそ似合わない言葉ね。
啓:駅員さんに言いがかりつけているおっさんを念の力で発狂させてた。
夏:どっちにしろ、駅員さんの仕事は減らないのね。

【つっこみかけるに】
風:麻美はいつだってカッコ良いの!
啓:具体的にどこら辺が?
麻:……我が道を行くところが。
啓:自分で言うなよ! それと、そういう人結構いる!!

【殴られました】
弥:由々しき事態ですぞ!!
洋:部屋のお菓子がなくなった、だったら殴る。
弥:正解!!

【日本語万歳】
啓:やよ先輩も懲りませんね。
恭:あれが二人のコミニュケーション手段なんだ。
啓:コミュニケーションじゃないんですか?
恭:意思疎通だ。

【平和、ピンフにあらず】
理:来たるべく戦いのため、修行あるのみです!
夏:麻生はなんか物騒ね。
理:お金をかけているわけじゃないので、問題はないですよ。
夏:……何の話?
理:家族麻雀の話です!

【役満志向】
洋:賭け事なら……ポーカーやってたわね。
恭:ああ、労働賭けてなあ。
弥:いっつも負けるんだよ。なんでかなあ。
恭:ロイヤルストレートフラッシュしか狙わないからだ。

【ギャルゲ脳】
啓:漫画における授業のサボり場所は屋上だ。
弥:場所移動なんてしないで、さも授業を受けてますよって態度でぼーっとしてるのが一番お得だよ。
博:しかしそうするとイベントが起きないじゃないですか。
弥:え?

【一般人の感想】
弥:洋子はあんな性格だけど、外見はいいからクリスマスとかにお誘いがくるんだよ。
洋:あんたにだけは言われたくない。
理:……羨ましいです。

【ギャルゲの話】
博:部活動をやっているとやっぱり出会いも増えるよな。
啓:バイト先でもあるぞ。
博:それだと年齢の幅が大きくなってありだな。
風:何の話?

【どういう意味だろう】
啓:歌って踊れる主人公を目指そうと思うんだ。
夏:人の迷惑考えなさいよ。
啓:え?

【よく通る道】
啓:人に迷惑かからんよう、作曲の勉強を始めた。
夏:楽譜を読めるようになるとこからだと思うけど……。
啓:無論だ。その夜はおたまじゃくしの夢を見た。

【三日坊主にすらならない】
啓:人間向き不向きってもんがあるんだ。
夏:諦めはっやあ。

【突拍子もない】
啓:やはりオレは身体を動かすほうが性に合っている。
夏:でしょうね。
啓:よってフラフープを始めた。
風:わたしもやるー!!
夏:……なんで?

【完全に乗り遅れた】
博:なら俺は! せっかくなので輪投げを始めるぜ!!
夏:せっかくの意味が判らない……。
博:てや! てやあああああああ!!
風:すごい! 十メートルも離れているのに全部入った!!
夏:えっと……?

【どんな壊れ方だ】
啓:人間、負けてしまったら負けだぞ!!
夏:なに当たり前のこと言ってるの?
啓:疲れてるんだよ!!

【メニュー変えろ】
啓:キャベツが安売りしてたから大量に買ったんだが。
夏:馬鹿ねあんた。知ってるけど。
啓:ここ三日間ずっとお好み焼きだ!! やってられるか!!

【水だけ五日過ごした】
夏:人間やれば何でも出来るって啓輔言ってたよ。
博:様子を見に来た風花ちゃんに助けられたんだって?
夏:というか、今病院。

【非の打ち所のない馬鹿】
理:しかもその間に野菜肉その他諸々を駄目にしてしまったみたいです。
麻:……すごいわね、完璧じゃない。

【だからなんだ】
啓:パンもケーキもあったから朝から食ってやったぜ!!
夏:別に問題はないね。
啓:マリーアントワネットを意識したんだが。
夏:あんまり関係ないわね。

【こちとら人生かかってるんだから!!】
洋:休みが長く続くと掃除しようって気持ちがなくなるのよね。
弥:ないじゃん。
洋:あんたの勉強意欲と一緒よ。
弥:いや、一緒にしないでよ!!



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