誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その十




啓:樋口啓輔 風:桐生風花 夏:結城夏子 麻:飯田麻美 元:桐生元樹 博:麻生博
理:麻生理香 弥:西野弥生 洋:三上洋子 恭:真鍋恭平


【何に使うんだろう】
恭:たまに弥生が判らなくてな。
啓:たま……ですか。
恭:テレビ見て「あれほしい!」って叫んだんだ。なんだと思う?
啓:いや、オレにはさっぱりです。
恭:物干し竿だった。

【無言で殴られた】
弥:学校の玄関前で、靴飛ばしをしていたの。
啓:お、楽しそうですね!
弥:でしょ! でね、たまたまそこにいた洋子に当たったの。
啓:……大変でしたね。
弥:うん。

【妹は汚いものを見る目で兄を見て】
博:魔法少女というものに対抗して、魔法少年というものがあってもいいと思う。
啓:世界は広いからあるんじゃね?
博:なんだと……俺が先駆けになろうと思ったのに。
理:…………死ねばいいのに。

【確かに違うんだけど】
啓:それに最近は可愛ければ性別は問わないらしい。
博:フリーダムだな。
啓:お前は違うのか?
博:失敬な。俺は女性で差別しないだけだぞ!

【ちょっと切なくなった】
博:三上先輩といちゃいちゃしてきた。
啓:オレでも判るような嘘吐くなよ。
博:夢で。

【たぶんそれヒモ】
博:普通俺は男だから旦那だろ?
啓:何当たり前のことを言ってやがる。
博:三上先輩を旦那のように俺が慕っている夢だったんだよ。
啓:まあ……男役もできる人だと思う……。
博:じゃあ俺、リアルで三上先輩の嫁になる!

【予想通りだった】
啓:部屋を綺麗にするコツ。
弥:おおう、興味深いね!
啓:無駄なものは買わない。
弥:無理!
啓:ですよね……。

【一生懸命正当化】
理:初回限定版のDVDとかは無駄じゃないんですか?
啓:……人類の宝だろ、それ。
理:大げさにも限度ってもんが――
啓:第一オレの部屋は綺麗だ。

【たぶん優先順位の問題】
啓:考え事をしながら料理をしていたんだ。
風:変な料理ができたの?
啓:何を考えていたか判らなくなった。

【一部です】
麻:……眼鏡は顔の一部です。
風:麻美って中学は眼鏡だったよね。
麻:……眼鏡は顔の一部です。
風:取り外しができるのに?
麻:……眼鏡は顔の一部です。

【予想通り】
啓:弱点を少しでも減らそうと数学の勉強をした。
風:啓輔すごいじゃない!
啓:開始五分で頭の中で村祭りが始まった。

【改めて言わんでも】
元:テレビが壊れたので新しいのを買ったんだ。
啓:このブルジョワめ!
夏:実際そうだし。

【それは興敗】
理:私も後輩がほしいです!
麻:……興隆と衰退のことですね。

【被害者は語る】
啓:妹はだめなのか?
理:私の妹ってことは、兄貴の妹でもあるんですよ。
啓:そら、逃れられぬ宿命だが……。
理:兄貴の妹ですよ? 可哀想じゃないですか。

【一番仕入れやすいです】
啓:きゅうりは野菜の中でもっとも栄養がないらしいぞ。
風:その知識は漫画から?
啓:イエス!

【今はそういう問題の話じゃない】
理:じゃあ、無理して食べる必要はないんですね!
啓:そうでもないだろう。
風:ほかの野菜でまかなえるのなら、食べなくていいことになるよ。
啓:でも、好き嫌いは良くないだろう!

【なぜハードルをあげる】
風:健康への第一歩はやはり体力づくりだと思うの。
啓:そうだな。けど犬の散歩はやめとけ。
風:じゃあ、ジョギング?
啓:自分のペースで散歩してくれよ。

【薬と毒は紙一重】
風:症状が確実に改善される薬があるの。
啓:ほう。
風:でも副作用で立ってられなくなるの。
啓:使うな。

【待って】
弥:部屋を掃除していると訳判んないもの見つかるよね。
啓:なんで買ったんだろーってやつですね。
弥:そうそうそう!
洋:卒業アルバムのことね。

【あ】
夏:接客業やってると人にやさしくなれるのよね。
啓:別にそんなことはないぞ。
夏:あんたの担当はなあに?
啓:キッチンです!!

【それはもうしみじみと】
啓:夜のスーパーは天国だ。
夏:安いから?
啓:それ以外何があるっていうんだ。
夏:主婦よねー。

【精神的に痛めつけられたそうです】
弥:夜、コンビニにたむろしている柄の悪い子たちっているじゃん。
啓:たまに行きますけど……まあいますね。
弥:たまたま機嫌の悪かった洋子にいちゃもんつけちゃってさ。
啓:かわいそうに……。

【良い言い方】
啓:小さいころ、虹の根元が気になって探して迷子になったことがある。
夏:そのころから馬鹿だったのね。
啓:夢があるといいたまえ。

【特に考えてやったわけじゃない】
弥:私の小さいころといえば、庭にふかーい穴を掘ったことだね。
啓:何の意味があったんですか?
弥:遊びに意味を求めるほど、私の人生は煮詰まっちゃいないよ。

【菌、生きてます】
弥:風邪引いてね、咳が酷くてとまらなくて、マスクをしたの。
啓:周りの人にも移しちゃいけないですからね。
弥:でね、それが子供心に嬉しくて、そのマスクをずっと取っておいたの。
啓:洗って?
弥:洗ったけど、消毒はしなかったんだよね。

【君の当然の反応】
弥:咳が止まらない状態で洋子の部屋に遊びに行ったら蹴り出された。
啓:そりゃあ……。
博:ほほう、足技ですか!!

【馬鹿がもう一人いた】
啓:やはり主人公は必殺技が必要だと思うんだ。
夏:何回目よ……。
弥:けけくん! それより先に敵が必要だと思うの!
啓:さすがやよ先輩!
夏:…………。

【反論できなかった】
元:啓輔の敵ならたくさんあるじゃないか。
啓:まさかの立候補か!
元:勉強。
啓:――……。

【大体の人の反応】
啓:歌って踊れるアイドル系の主人公を目指そうと思う。
元:はんっ。
啓:鼻で笑うなあああああ!!

【代弁】
風:どうしてそんな訳の判らない方向に行こうとするの?
啓:個性は重要だぞ!
風:え、でも啓輔は……えと……。
夏:馬鹿って言う立派な個性があるじゃない。

【エアロバイク】
啓:運動ってなら、進まない自転車がいいんじゃないか?
風:?
啓:発電装置つけたら環境にも良さそうだし。
風:??

【手馴れた対応】
博:そもそも運動するのに電力はいらんだろ。
啓:ナイター設備を愚弄するな!
博:プロスポーツの話じゃねーし。

【そういう問題じゃない】
理:気分が高揚して眠れない夜はどうしたらいいのでしょうか?
風:睡眠薬。
理:そんなの持ってるわけないじゃないですか!
風:じゃあ風邪薬。

【拒絶反応です】
啓:眠れない夜のお勧めは政治経済の教科書だ。
夏:数学じゃないの?
啓:あれは頭が痛くなるからだめだ。

【存在否定】
啓:ないものねだりをしてみよう!
理:お兄ちゃん!
啓:――――。

【しょんぼりと肩を落として】
元:啓輔の常識とか。
啓:せめて博と言いたまえ。
風:かなしくならない?
啓:……うん。

【目的の物は手に入らない】
啓:ポップコーンが食べたくなって、トウモロコシを炒めた。
夏:…………。
啓:ちょっとこげたけど、おいしかったよ。

【大事なことなので】
啓:オレだってやれば出来るってことを見せてやる!
元:結構です。
啓:くそ、他人行儀で言われるとぐさっとくるじゃないか!
元:結構です。

【道場の息子】
博:極端な話、包丁をでかくしたものが刀だ。
啓:日本のロマンだ。
博:包丁持って思うよ、刀で斬り合いなんて正気の沙汰じゃない。
啓:お前の家、剣も教えてなかったか……?

【覚醒途中の脳の謎】
啓:寝ぼけていきなり、フランダースの犬って言ってた。
風:寝る前に読んだの?
啓:いや、そんなことはない。
風:じゃあどうして?
啓:オレも判らない。

【お酒は大人になってから】
啓:バイト先の兄ちゃんにな、ものすごい因縁つけられた。
風:どんな?
啓:「最近の若いもんは! 未成年だからって酒も飲みやしねえ!!」
風:その人いくつ?
啓:今年、二十三になるそうだ。

【理香勝利!】
博:この前理香と弓の命中率を競っていたんだ。
啓:お前ら普通にすげーよな。
風:どちらが勝ったの?
博:飛び道具は卑怯だよな。

【対処に困る】
博:ずっと前まで俺は「親の顔が見たい」という言葉はことわざだと思っていた。
弥:へー。違うんだ。
博:いやあ、ええっと。

【まったく意味が判らない】
啓:滋養強壮は四文字熟語なんだ。
風:知ってるよ。
啓:滋養強壮だぞー?
風:知ってるってば。
啓:ふっふっふっ……滋養強壮……。

【響きが気に入ったそうです】
啓:鎧袖一触。
夏:え? なに?
啓:鎧袖一触!
夏:がいしゅう……なに?
啓:鎧袖一触!!

【断れ】
啓:最近はどこの店でもポイントカードがある。
理:そうやってお客さんを集めてるんですよ。
啓:とりあえず言われるままに作ったら財布が大変なことになったじゃないか!

【総つっこみを受けた】
元:アメリカの知り合いが自信満々に日本のことわざを覚えたと自慢してきた。
理:ほほう、それは興味あります!
元:「お酒は大人になってから」
理:それ……法律です。

【もうムキになって否定しない】
啓:アメリカの友人とは……エンターテイメントだな。
風:インターナショナルだよ。
啓:おう、それそれ。
夏:自然になってきたわね……。

【無理だから漫画でやってるんだ】
啓:例え漫画で使い古されたネタだとしても、それはリアルでは新しい!
夏:……何を言っているの?
啓:よってオレは! 必殺技として! 目からビームを習得する!

【似合いすぎ】
博:ちょいと趣向を変えて、珍しい武器を使えるようになればいんじゃね?
啓:例えば?
博:主人公には珍しい鞭!
啓:それは三上先輩だろう。

【なるほど】
啓:変身するロボットは男のロマンだ。
理:変形じゃないんですか?
啓:同じじゃないのか?
理:変身するのは特撮ヒーローです。

【ゲーム哲学?】
博:初めてやるRPGを、攻略本やサイトを見てやるのは邪道だ。
夏:人に聞くのはいいの?
博:RPGとは……そういうものだ。

【!?】
弥:訳あり商品ってずっと盗品だと思ってたんだよー。
元:!?
洋:馬鹿ね、足がついたらどうするのよ。
元:!?
弥:そーだよねー。

【文武両道が憎い】
啓:元樹って体育の成績はどうなんだ?
元:五段階で四だった。
啓:失せろ!!

【言われたくない人に言われたから】
理:私がお風呂に入っているときにうちのお父さん、脱衣所の電気消すんですよ!! 何考えてるんですか!?
啓:なんにも考えてないんじゃね?
博:正解だな。
啓:理香よ、なぜ拳をぷるぷると震わせているのだね?

【どんなだ】
弥:私は洋子がお風呂に入っているときにドアをばんばん叩いたことあるよ!
啓:どうしてそういう怒られるようなことばっかりするんですか?
弥:愛だね、愛。

【そこだけ勝っても】
博:ビリヤードを始めたんだ。
啓:お前、桐生の双子にメタクソにやられてなかったか?
博:だが、突きのスピードでは勝っている!

【偏見】
理:私はこう見えて球技が苦手です。
啓:ほおう、ならば体育の授業は苦痛か。
理:なんでそうなるんですか?
啓:体育の大半は球技だろ?
理:短距離走、長距離走もありますよ。

【怒りすぎ】
理:将来は機械が料理を作ってくれると思うんです。
啓:オレの存在意義はどうなるんだ!?
理:啓くんのレーゾンデートルはそれだけだったんですか?
啓:難しいこと言うな!!

【誰が作ったそんなもん】
理:小さいころ、お父さんに怒られたことを思い出しました。
夏:理香もいたずらしたの?
理:ええ、色んなところにシールを貼っていました。
夏:子供ってそういうことするよね。
理:お経のシールだから余計に怒ったんですよね。

【そもそも相手にされてない】
啓:怖い話をしてやろう。
夏:結構です。
啓:フゥーハハハハッハ! 臆したか夏子よ!!
夏:高が知れてるもの。

【誕生日は避けましょう】
啓:……聞いてください。
理:情けないですね。
啓:ATMにおける怖い話! それは暗証番号を忘れること!
夏:まあ……確かに。



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