誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その十二




啓:樋口啓輔 風:桐生風花 夏:結城夏子 麻:飯田麻美 元:桐生元樹 博:麻生博
理:麻生理香 弥:西野弥生 洋:三上洋子 恭:真鍋恭平


【そうやってすぐに大声出せるとこ】
啓:ストレスは健康の最大の敵という。
元:君はいいな。
啓:どおおいううう意味だああああ!!

【それが最大の味方かも】
風:では健康の最大の味方とはなんでしょうか?
啓:健康食品だろう!
夏:睡眠じゃないかなー。
啓:つまり授業中に寝るオレ最強! と。
夏:ポジティブね。

【オレたちを殺す気か】
風:適度な運動は美容と健康に必要なことなのです。
夏:だからあたしもちょっと運動始めました。
啓:…………。
博:…………。
夏:なにその沈黙。

【後悔した】
麻:……念を効率よく使うにも、適度な運動が必要なのです。
啓:マジか。
麻:……うっそぴょーん。
啓:ぴょんてなんだよ、ぴょんて。
麻:……うん、自分でもちょっと。

【くだらないけど聞いて下さい】
啓:事件だ。
夏:たいしたことじゃないんでしょ?
啓:その通り!
夏:えっと聞かなくてもいいってこと?
啓:そうは言ってません。

【何でだろう】
啓:バスタオルにご飯粒がついていたんだ。
夏:なんで?
啓:オレが聞いてるんだって。

【ぶん殴られた】
夏:誰だって一人で泣きたくなる夜もあるものよね……。
啓:たまねぎのみじん切り、超オススメ。

【馬鹿に正論を言われるとむかつく】
理:歯を磨いた後って、何か食べたくなりますよね。
啓:晩飯足りないだけじゃねーか。
理:…………。
啓:なんで睨むんだよう。

【めんとごはんとごはん】
啓:晩御飯にやきそばとチャーハンと白いご飯を食べた。
風:栄養偏るよ。
啓:やきそばとチャーハンには肉も野菜も入っているぞ?
風:炭水化物が……。

【蝋?】
啓:一定以上の時間働くと、急にがくっとなるよな。
夏:電池切れみたいになるよね。
啓:糸が切れた蝋人形のように。
夏:そうそう――え?
啓:蝋人形のように。

【褒められたのに嬉しくない】
啓:一人暮らしは健康に気を使わなくてはならんのだ。
夏:そりゃあね。
啓:風邪薬、胃腸薬が必需品。そしてサプリメントは何気に縁の下の力持ちと言うか……。
夏:すごい、真面目なこと言ってる。
啓:……びみおな気持ちだ。

【それが麻美クオリティ】
啓:手裏剣を投げてみたい。
麻:……念でよければ。
啓:いや、意味が判らん。

【飼ってみないと判らない】
啓:猫って良く判らんよな。
風:具体的に言うと?
啓:パン、食うのかな……。
風:犬は食べるけど……。
啓:だろー? 猫はなんかぴんと来ないんだよ。

【些細な知識ですから】
理:猫はパン食べますよ。
啓:へー。
風:へー。
理:あの、こういうことで尊敬のまなざしを向けられても、どちらかと言うとかなしいです。

【何事もほどほどに】
啓:顎も鍛えなくてはならないのだ!
風:硬いものも食べられるようになるのはいいと思うけど……。
啓:よってせんべいをたくさん食らう!
風:顎関節症って知ってる?

【なに言ってるのこの人】
麻:……念なんて使えても、いいことなんてないのよ。
啓:確かに異端は差別の対象だ……。
麻:……便利だけどね。

【興味ないから】
啓:数学って何の役に立つんだろうな……。
元:具体的にいうと――
啓:あ、いいです。

【どの口が言う】
啓:この世の中に役に立たないものなんて何一つないんだぜ。
元:さっきの発言は?

【慣れの問題でもある】
啓:バイトして疲れきって帰ってきて、そんで宿題とか鬼かっての。
夏:バイトで疲れなきゃいいじゃん。
啓:できんの?
夏:無理。

【そうですとも】
風:と言うより啓輔は難癖つけて宿題をやらないだけでしょ。
啓:疑問系じゃないんだな。
風:だってそうじゃない。

【先輩も酷い】
啓:何気に抑えられない出費があります。
弥:食費のほかに?
啓:服です。
弥:おおう、成長期。そして案外まともな答えでお姉さんびっくりだ!

【自覚はある】
弥:読書感想文も大変だけど、将来の夢という作文も大変だよね。
啓:子供心にぱっと思いつくのって、ヒーローとかなんですけど、却下食らうんですよね。
弥:私さ、すっごい困って漬物石って書いたことがある。
啓:つけもの、いし……?
弥:なんというか、我ながら困った尺度が違うなーと思います。

【原チャリ】
啓:チャリとは素晴らしいものだ。
夏:免許取れないあたしたちには便利なものよね。
啓:オレは! たとえ車の免許を取ろうとも! チャリを捨てたりはしない!!
夏:バイクは?

【ちゃんと話を聞こう】
理:気に入った服を見つけてしまって買ってしまったのです。ああ、衝動買いです。
啓:本とCDはあるうちに買うもんだぞ。
理:服です。

【平和な会話】
啓:高笑いする人はいると思うんだ、実際。
博:うん?
啓:でも、語尾に「ザマス」つける人はいないと思うんだ。
博:だろうな……。

【大げさすぎ】
理:つまらない授業って眠くなってしまいます。
麻:……眠りなさい。
理:だめです!
麻:……大自然の摂理に逆らってはいけない。

【仕事中だとしても】
啓:女って怖いよな。
博:何があった?
啓:夏子がな、客から貰ったアドレス書かれたメモを天然装ってレシート入に入れたんだ。
博:……客の目の前で。
啓:当然だ。

【縁遠い人が言うな】
啓:甘いものが食べたいのに、何もなくて仕方なく砂糖を舐めているとき。
風:貧乏ってかなしいんだね。

【勇気じゃないだろう】
啓:勇者になりたいので、ちょっくら勇気を試してくる。
博:フレンド、何をする気だ!?
啓:夏子のスカートめくってくる!!
博:――なんという!! 俺はお前の心意気、しかと受け取った!

【だが目的は一緒だ】
理:兄貴や啓くんのような下半身直結思考の男がいるから、普通の男性も誤解されるんです!
啓:だが世の中には変態紳士という紳士もいるんだ!!
理:……何が違うんですか?
啓:ジェントルに対応しているので、直結ではない。

【真面目な人ほど強く感じる】
夏:怖い夢を見たの……。
啓:ほほー、夏子さんにも怖いもんがあるんですねぇ。
夏:バイトに遅刻した夢。
啓:やめて怖いだろ!

【待て】
麻:……授業中に目を開けて寝ていたら。
風:そんなこと出来るの?
麻:……貧血で倒れるのと同じ要領。
風:それならわたしにも出来そう。

【早めに駄目になるものだった】
風:寝る前にホットミルクを飲むと良く眠れるよね。
啓:だが経済的にはよろしくない。
風:けちけち飲んで余らせて腐らせるよりいいと思う。
啓:今夜から始めます。

【拒絶反応】
夏:安眠の友なら数学の教科書じゃない?
啓:頭が痛くなるから駄目だ。

【トラウマレベル】
啓:ホットミルクの話題第二段だ。
風:はちみつを入れるとおいしいとか?
啓:間違って塩を入れたときの絶望感!

【たまの優勢】
啓:砂糖と塩を入れ間違えても許されるのは玉子焼きだけだ!
理:そんなことは……。
啓:お前に何が判る!!
理:す、すみません……。

【その切り返しはなかなかきつい】
啓:真実とは……重いものだ……。
風:突然何を言い出すの?
啓:戯言だ……。
風:自覚あったんだ。

【風花に虐げられる仲】
啓:こうさらっと切り返されるとぐさっとくるよな。
元:…………。
啓:な!!
元:なんで僕に同意を求めるんだ……。

【悪意なく言われると困ります】
理:小学生のとき、中学生になったら心構えとかが変わるんだって思ってました。
夏:変わらなかったんだ?
理:ええ。
風:身体と一緒だね。
理:いや、あの……。どっちも成長しました……。

【大人になってから】
啓:そうさな、高校生なんて大人だと思ってな。
博:実際なってみると高校生だってガキだと思い知らされる。
啓:例えば?
博:エロゲ購入を拒まれた。

【それは致命的】
啓:知らなければ良かったと思うことって結構あるよな。
理:読もうと思っていたミステリー小説の犯人!
啓:ネタバレ厳禁だ!!

【血を作る薬】
夏:風花の体重なんて聞いたらぞっとするよ。
啓:……それはどういう意味ですか?
風:お医者様に鉄剤を貰ったの。

【正確には一緒に焼く】
理:ホットケーキにかけるとおいしいものと言えば!
夏:バター。
風:メープルシロップ。
啓:ベーコン。
理:へ?
啓:塩味効いてうまいぞ。

【貧血起こしたようです】
風:食事って大事よね。
啓:当たり前だ。
風:面倒だからちょっと抜いたら病院にいたの。
啓:極端だな! おい!

【駄々っ子じゃないか】
麻:……母が反乱を起こした。
啓:何事だよ。
麻:……お母さんも麻美ちゃんに起こされたい! と言われた。
啓:可愛いお母さんですなあ……。

【切ない大人たち】
啓:大人になったら結婚が都市伝説になるらしいぞ。
理:……意味が判りません。
啓:判らないほうが良いと思う。
理:確かに……。

【そこか?】
啓:たまに虚しくなるんだ。
麻:……そういうときは世界を滅ぼしたらいい。
啓:スケールでかいな!

【VS天然】
啓:気合を入れて作ったサンドウィッチを食ったら虚しくなったんだ。
風:おいしくなかったの?
啓:一瞬でなくなったからだよ!
風:口が大きいんだねえ。

【仕事中に何してやがる】
夏:キッチンの人、一人辞めるんだって?
啓:ああ……。寂しい。
夏:仲良かったの?
啓:うん、変顔、奇声仲間だった。

【そりゃそうだろう……】
啓:お別れの言葉は「変顔、奇声はちゃんと受け継ぎます」だ。
夏:いや他に引き継がなくちゃいけないものがあるでしょうが。
啓:それはみんなやるから問題ない。だが変顔、奇声はオレしかやらないんだぞ。

【貧乏性】
啓:男臭い部屋はいかんと思い、芳香剤を買ったんだ。
夏:一人暮らしなら溜まり場になるもんね。
啓:もったいなくてあけられん……。

【意味ない】
啓:しかも一ヶ月で半分以上なくなると聞いたんだ!
夏:そりゃあね。
啓:水で薄めるしかないのか!
夏:効果も、薄まるわね。

【話がずれてる】
啓:昔買ったヒーローの変身おもちゃってあるだろう?
元:いや、買わない。
啓:お前はそれでも少年時代を過ごしていたのか!
元:それはむしろ今じゃないの?

【慣れないでほしい】
風:最近、寝た場所と起きた場所が違うことにも慣れてきました。
理:……寝相が悪いんですね、判ります!
風:家のベッドから病院の――
理:やめてください!

【気持ち、判るから】
理:自分の好きなチームが負けたからって生徒に当たる先生は、本当に勘弁してほしいです!
啓:悔しいもんだぜ……。
理:珍しいですね、先生の味方するなんて。
啓:だって……。

【一般人は特に問題なし】
博:確かに、野球だのサッカーだのの結果で気分をころころ変えられると困るな。
啓:なん……だと……?
博:いや、教師とか、上に立つ人の話な。

【大げさすぎ】
啓:今こそ! この封印を! 解くべき時なのだ!!
風:いい匂い〜。
啓:大家のおばちゃんオススメの炭の香りの芳香剤だ。

【悪意はまるでない】
啓:しかしいい匂いだ〜。
風:安らぐね〜。
啓:これじゃ勉強がはかどらんな。
風:もともとしてないから問題ないよう〜。
啓:…………。
風:いい匂いだね〜。

【気のせい】
啓:バイトから帰ると大体汗だくなんだ。
理:チャリ通勤でしたねー。
啓:芳香剤がたくさんでそうでもったいない気がする。
理:異臭に反応するのは空気清浄機です。

【冷静な感想は的を得て】
風:バイトの忙しいってときってどんな感じ?
啓:フロア担当に「オーダーとんな!」って叫びたくなる感じだな。
夏:お客さんに「今すぐ帰って!」って言いたくなる感じ。
風:どちらも言ったらお金にならないね。




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