誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その十六




啓:樋口啓輔 風:桐生風花 夏:結城夏子 麻:飯田麻美 元:桐生元樹 博:麻生博
理:麻生理香 弥:西野弥生 洋:三上洋子 恭:真鍋恭平


【たぶん、ものすごいはずれの店】
啓:おいしくないアイスってどうなんだ?
風:組み合わせとしておいしくないって意味?
啓:そうじゃない、純粋にソフトクリームがまずいんだ。
風:それは……どういうことなんだろう。
啓:な?

【甘いもののあとにみかんを食べると……】
風:チョコとオレンジシャーベットの組み合わせは酷いんだよ。
啓:よりにもよってどうしてその二つを選んだ?
風:両方、食べたかったの……。

【その発想はなかったわ】
啓:緊急の電話のために野球中継を消したオレの気持ち、お前に判るか?
理:どうして消音のボタンを押さなかったのですか?
啓:…………。

【身も蓋もない】
博:ラーメンを食べたあとに食べるアイスはおいしい。
風:おなかに悪そう……。
博:悪いからいいのさ……。
夏:ただの悪食じゃない。

【理不尽極まりない】
啓:理不尽極まりない出来事に遭遇した。
風:んー?
啓:麻生の家に遊びに行ったら博と親父殿が出てきてフルボッコされたんだ!

【忘れてた、こいつ天然だった】
理:私が物音に気づいて道場にたどり着いたとき、啓くんは口から泡を吹いていました。
啓:酷い親子もいたもんだろう?
風:カニみたいだね。

【なんでだよ!】
啓:腹が減って眠れなかったのでうどんを作ってた。
麻:……そのまま啓輔はうどんがのびていくのを指をくわえて見ていたのです。
啓:ちゃんと食ったわい!!

【無思考の会話】
啓:麻美はいいよな、必殺技を持っていて。
麻:……そんなものはない。
啓:念があるじゃないか。
麻:……ないの?
啓:なんであると思ったんだよ。

【博が生ごみに捨てられていた】
夏:お客さん……ちっちゃい子供なんだけど……スカートめくられた。
啓:……!!
博:殺人は犯罪だぞ!!

【なんかちょっと理解できません】
啓:そういうシツレー極まりないお客さんにはどう対処したらいいんだ?
夏:真顔でじーっと見つめるの。
啓:…………。
夏:だいたい先に目をそらす。

【啓輔に言われると何か……】
啓:来るべき戦いのために日々鍛錬にいそしむ麻生きょうだいですが。
理:え、何かスケールでっかくないですか!?
博:いや、鍛錬は間違いないだろう。
理:そうなんですけど……ええ?

【少数派】
夏:恋愛小説読んでると嫌な気分になるよね。
風:え、どうして?
理:それは夏子さんだけじゃないでしょうか……。
夏:あれ?

【にじみ出る威圧感!】
啓:この前……バイト先でお別れ会があったんだ。
風:パートさん?
啓:ううん。店長。だからマネージャーが来て気が気じゃなかった。
風:仕事じゃないから別に気にしなくていいんじゃないの?
啓:そういう問題じゃないんだ!!

【なんかもう色々と】
夏:この前、インド人っぽい人がお店に来たの。
啓:ああ、カレー頼まれたらどうしようと厨房に緊張が走ったな。
夏:納豆スパ頼んでたよね。
啓:うん。

【やっぱり偏見】
啓:このような外人さんに対する偏見は良くないと思う。
風:そうだね。
啓:しかし、そう思いながらも日本語が達者な外人さんを見るとすげーって思う。
夏:だよねー。

【本場の人、襲来】
博:ちょっと違う話なんだが。
啓:なんだ?
博:たこ焼屋でバイトしている友達は、関西人が来るたびに戦々恐々するそうだ。
啓:それはオレも怖いわ……。

【この二人なんとかしろ】
弥:一人暮らしの敵、すなわち!!
啓:貧乏だ!!
弥:それは一人暮らしとか関係ない!!
啓:マジだ!! やよ先輩すげぇ!!
弥:ふふん♪

【二度と聞くことがないように】
博:あの二人の会話を聞いていると殴りたくなりませんか?
洋:ハンマー持ってたら。
博:確実にですか。

【誤解】
博:知り合いにカルピスを原液で飲んだ馬鹿がいる。
夏:ふーん。
麻:……へぇえ。
啓:オレじゃないぞ!!

【普段の行い】
理:風邪を引いて、ネギを鼻に突っ込んだ馬鹿が知り合いにいます。
元:…………。
風:……へー……。
啓:オレじゃねーから!!

【馬鹿は風邪を引かない】
啓:風邪で学校休んだが――
理:え!?
啓:何故そんなに驚くのだね?

【予想外の返答】
啓:ともかく、風邪で学校は休んだが、バイトには強行出勤した。
風:それも迷惑だと思う。
啓:勤めを果たしたのにみんなに怒られた。
風:啓輔、愛されてるんだね。
啓:へ?

【勉強したって無駄だよ】
啓:試験勉強するから、お休みくださいって店長に言ったら、
 笑って「またまたぁ」って笑われた。
夏:日頃の行いよね。

【もらえてない】
風:結局お休みもらえたの?
啓:うん、半日。
風:よか――え?
啓:……半日。

【馬鹿言っている場合ではない】
啓:シフト表をバイト先に忘れてしまった。
夏:明日は?
啓:判らない、このドキドキ感。
夏:連絡しなさい。

【やってけそうかも】
風:啓輔って一人で生きていけそうだよね。
啓:風花に何が判る!!
風:え? 料理の腕とか、身体の丈夫さとか。
啓:……うむう。

【もちろん理香はどん引き】
理:別に個人の自由なんです。
啓:は?
理:クラスメイトとカラオケに行って、男子が女性アイドルの歌を歌っていたんです。
啓:まあ……引くな。
理:個人の自由です。

【悪意なし】
夏:カラオケ行ってダンスに夢中になる奴ってたまにいるのよね。
啓:オレは拍手に夢中だ!!
風:啓輔音痴だもんね。

【経験済み】
理:昨日兄貴が鬼の形相で竹刀を素振りしていました。
啓:自らの不注意でセーブデータを消してしまったそうだ。
理:ちょっと判らない世界です。
啓:きっとそのほうがいい……。

【危険人物】
博:誰だっていつか自分の大切なものを自分の手で破壊するのだ。
弥:普通は不注意だよね。
洋:…………。

【金欠になったらよく助ける人】
啓:ゲームの初回限定版にたまに訳の判らないものがついてくるよな。
風:お金がないのにそういう感想が言えるくらい買ってるんだね。
啓:…………。
風:――どうして黙るの?

【いえ、自業自得です】
夏:音楽CDも同じよ。
啓:夏子さん、無駄遣いは良くないですよ。
夏:あたしは聴かなくなったら売るし、そもそも生活費を削って買っていない。
啓:……オレを泣かす気だな?

【無駄でした】
啓:バイトに遅刻した夢を見たその日、オレは必死になってバイト先に行った。
風:休みだったんでしょう?
啓:……ああ、ものすごく店長に驚かれたよ。

【正しい夢の使い方】
啓:夢でよかったよ。
夏:ところで来月に中間試験があるけど。
啓:それは夢の出来事じゃないか?

【相談する人を思い切り間違えた】
啓:定期的にくる、楽器を習いたい症候群を抑えるためにどうしたらいいでしょうか?
洋:首をくくる。
啓:…………。

【こうして本題から離れていく】
啓:やよ先輩、三上先輩を何とかしてください。
弥:私の言うことを聞いてくれる洋子なんて、私の洋子じゃない!
啓:では、誰の?
弥:そこが問題なんだな。

【ちょ、おま】
博:ギャルゲとかの主人公のモテっぷりとその鈍感ぶりがむかつくよな。
啓:うんうん!

【存在意義、実はそこだった?】
理:だからといって妙に察しの良い啓くんとか嫌です。
風:それはもう啓輔じゃない人だよ。
啓:そ、そんなことでオレは軽く否定されるのか……。

【まったくです】
啓:冬に夏の歌を聴くと、変な気持ちになるよな。
理:当たり前です。
啓:だが、それは季節に対する差別だと思う。
理:啓くんは何を言っていやがるのですか。

【先生と生徒の話に】
啓:だが、差別はイクナイだろう?
風:日本語は正確に。
啓:差別はよくありません。
風:よく出来ました。

【未成年】
啓:酔っ払いってすごいよな。
夏:それは迷惑をかけているという意味で?
博:俺も酔ったら酷くてさ……。
夏:え?

【ぶん殴られた】
夏:車に酔ったって話じゃないよね……。
啓:そりゃあ……なあ……。
博:無論、電車だ!

【死亡フラグ】
啓:うずらの卵で目玉焼きを焼いてみた。
夏:安かったの?
啓:八宝菜を作ろうと思ったんだが、何でか割れててな……。
夏:暴れたの?
啓:そんな夏子さんじゃあるまいし。あ――

【人の話は聞きましょう】
博:安いから買ったゲームソフトというのは実はやる機会がないよな。
啓:なんで買ったんだよ。
博:安いからだって。

【大げさに言ってみた】
弥:ジュースを飲もうとして、口がつく前にコップを大きく傾けてしまったあの、やるせなさ。
啓:ぬれた服の、冷たさ。
弥:なんというやりきれない想い!!
洋:ただ零しただけでしょう。

【逃げ場は暖かくやさしい】
啓:勉強の息抜きに大分前に買った漫画を読んだんだ。これがまた面白いんだ。
夏:そりゃあそうでしょうね。

【何がだよ】
啓:二十歳になったら成人式がある。なら三十になったら何かこうあっても良いと思わないか?
理:三十から色々始まるそうですよ。
啓:何の話?
理:いえ、聞いた話です。

【別のとこからものすごい切り返し】
啓:理香が優越感を抱くときというのは、自分より小さい人間を見たときか?
理:喧嘩を売っているんですか……?
風:だめだよ、こういうときは「そんな、啓輔じゃあるまいし」って返さなくちゃ。
理:なるほど、さすが風花さんです!




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