誰かのためのおとぎ話
 ミニコント集その二十四




【変わらない】
啓:ヒーローって話の中盤でパワーアップするだろう?
風:そうなんだ。
啓:主人公って英語だとヒーローじゃん?
風:啓輔もパワーアップしたいって? 言うこと変わらないね。
啓:うぐ。

【マイナス主人公補正】
夏:啓輔のパワーアップ? もっと馬鹿になるってこと? やめてよ。
啓:何故ここまで言われなくちゃならんのだ!
夏:主人公だからじゃないの?
啓:そんなの主人公と違う!

【現実を持ち込むのはやめよう】
啓:なんて酷い扱いなんだ! いまさら酷い立場にいることに気づいた!
理:今ですか……。
啓:オレのガラスのハートがブロークン!
風:心が壊れてるのなら、正気じゃないんじゃないかな。
啓:リアルに考えるな!

【文字が違います】
啓:よってオレは復讐する!
風:数学の、英語の?
啓:そ、それは両方したほうがいいのは判っているゆえ!
風:英語はまず単語の書き取りを――
啓:違う! 待ってくれ違うんだ!!

【方向性の違う酷いこと】
博:男に酷いことに定評のあるこの作品だが、俺達を遥かに上回る鬼畜行為を受けている男性がおられる!
啓:な、なんだと!?
恭:ん?
啓:え?
博:フルネームがあるのに出番が少ないー!

【そういう扱いが一番可哀想だ】
恭:俺は別に気にしていない。
啓:何という大きな器!
恭:それよりも桐生弟が可哀想だ。
啓:名前呼んだげてくださいよ!

【気になってました】
博:では、その元樹に話を聞こうじゃないか。
啓:おうおうおうおう!
博:風花ちゃんといつまで一緒に風呂入ってたの?
元:死んでしまえ。

【ちゃんとした酷い理由】
博:ちなみに俺は理香と五歳くらいまで入っていたぞ。
啓:それはさすがに卒業が早くないか?
理:だって、兄貴いじめるんですもん。

【なんか褒められた】
啓:生命にかかわるいじめはもうすでにいじめではない!
博:そこまで俺も馬鹿じゃないやい。
啓:五歳児の分際で生命の尊さが判るだと? すごいじゃないか!
博:お、おう……。

【脱線後、物騒】
啓:よって夏子はオレに謝れ!
夏:じゃああんたもあたしに迷惑かけたこととか、人を馬鹿にしたこととか、
 どーでもいい馬鹿な行為とかについて謝りなさいよ!
啓:だ、だが、暴力はいかん!
風:その理屈だと、酷いことを言ってもいいことにはなるよねー。
啓:!?

【だったらすごいね】
啓:人という字は支えあって生きているというが、上が圧倒的に楽をしている。
麻:……実は上は逆立ちをしている。
啓:マジで!?

【ちゃんと考えた】
啓:ありえない想像をするから呆れられたり馬鹿扱いされるので、
 現実的なことを考えてみた。
夏:くだらないことだったら怒るわよ。
啓:大家さんがもし、とても理不尽なことで怒る人で、トラブルメーカーだったら。
夏:本当に現実的ね……。

【心が痛む】
啓:経済と心に余裕が出来たら犬を飼いたい。
風:どっちも無理だね。
啓:せめて笑顔はやめてください。

【一つ多かった】
風:うちに遊びにおいでよ。
啓:だって、風花んちの犬ってなついてはくれるけど、主人はあくまでも風花じゃん。
風:当たり前でしょ。
啓:オレはあがめられられたい。
風:え?
啓:オレは崇められたい。

【スケールがでかかった】
啓:麻美さんは将来何になりたいんですかい?
麻:……女王。
啓:国はどちらで?
麻:……人類。

【楽しそう】
弥:じゃあ私はあさちゃんの顧問弁護士になるよ!
麻:……お願いします、やよやよ先輩。
弥:おうおうおうおうおうおう! 任せちゃって!
啓:…………。

【ガチだ】
弥:やっぱり私も世界征服するから、あさちゃんとの約束は守れないや。
麻:……仕方がないですね。
啓:どうやって世界を狙うんです?
弥:まず、アメリカを支配する。

【漁夫の利?】
麻:……ならば私はロシアを。
博:本気だなー。
啓:三上先輩ならどうします?
洋:二人で戦って消耗しているところを一気に潰す。

【力の加減が出来ない】
夏:スピーカーの音が悪くて。
啓:叩いて壊したのか?
夏:違うわよ!
啓:どっちにしろ壊したんだろ?
夏:…………。

【とにかくすごい揺れ】
夏:ちょっとゆすっただけ。
博:それを一般的に訳すと「激しく揺さぶった」となる。
夏:なんでよ!?
啓:正確には震度6強相当の揺れ、だ。
夏:ちょ!
博:それだったわ……。

【試験前によく発病するやつ】
風:啓輔のお部屋に遊びに行くといつも感心するの。
夏:案外綺麗なのよね、あいつの部屋。
理:勉強したくないからですよ。
夏:ああ。

【何を期待していた】
啓:違うぞ、掃除やらなんやらをしてくれる人がいないから否応なくやる羽目になっておるのだ。
夏:一般家庭はそうだよ。
啓:そこで麻美さんに聞いてみました!
麻:……? 自分で掃除くらいするわよ。
啓:なんと……。

【突然何を言い出す】
啓:ゴールデンウィークって嘘吐いて良いんだよな?
夏:普通、いつも駄目よ。
風:四月一日くらいじゃないかな……。

【今作った】
麻:……二月四日は台所を綺麗にする日なのよ。
啓:へえ、初耳だ。
麻:……奇遇ね、私もよ。

【軽蔑するように言われたので】
啓:宿題するのが嫌で、トランプタワーを完成させていたことがある。
風:その集中力をどうして勉強に使えないんだろうね。
啓:研究したらどうだろうか?
風:ばっかじゃないの?
啓:…………。

【そりゃあね】
風:啓輔の嫌いな教科は数学だよね。どうして?
啓:本当に訳が判らん。
風:英語も嫌いだよね。
啓:日本語じゃないだろう。

【判らない問題の切り捨て方】
啓:中学の数学で証明ってあったじゃん。
夏:あー、あれ苦手。
啓:判らないからいつも「友と、明日のために――!」って書いてた。

【国語の勉強になった】
風:先生は何か言ってきた?
啓:それが何もでさ。無慈悲というのはこういことかと思った。

【虚弱体質につき】
啓:好きなものへの集中力というのはみんなすごいと思う。
風:そう? わたし、読書好きだけど、気がついたらベッドに寝てたよ。
啓:それ貧血や……。

【笑い話じゃねーから】
理:集中しているときって、息止めません?
風:そうそう、風邪引いているときそれで咳を誘発しちゃって呼吸困難になるの。
理:あの、笑顔ではいうのは……。

【たぶん楽しそうに見えたんだよ】
啓:隣の部屋の兄ちゃんとキャッチボールをしていたら大家さんが乱入してきた。
夏:……女性だっけ?
啓:いわゆるおばちゃんだ。すごいんだぜ、カーブ投げてきた。

【過大解釈】
啓:ちなみに大家の旦那さんにはスライダーを教えてもらった。
夏:仲良いね。
啓:あれだ、人類みな兄弟。
夏:違うよ。

【出所の問題】
博:本当に好きだったら、迷いなんてないはずだ!
夏:何か良いことを言っているような気もするけど……。
理:兄貴ですからねえ。

【その程度】
啓:しかし、それは間違いなんかじゃない!
夏:違うなんて言ってないじゃない。
啓:ただし金銭が絡むと全力で悩むよな。
夏:好きじゃないんじゃない? それ。

【しょーもない理由につき】
啓:眼鏡っていいよな。
風:……理由を聞きましょう。
啓:知的な感じがする。
風:やっぱり啓輔ってこうだよね。

【つっこみ所が満載で】
麻:……コンタクトにしたから成績が下がったというのは心外。
啓:いや、オレはコンタクトの麻美さんしか知りませんよ。
風:麻美はただ単に面倒になっただけだよね。
麻:……そう、私は今、自由。
夏:親が可哀想ね……。

【なんだろうこの会話】
啓:機械になれば成績上がる?
風:まず二進法は判る?
啓:何それ?
風:普通、数字は0から9までを使うでしょう? これを十進法と言うの。それで二進法は0と1だけなの。
啓:何と関係あるの?
風:機械。

【人間じゃないから】
夏:そもそも機械は勉強しないんじゃないかな……。
啓:そうか、出来るように作られているから、勉強楽勝だな!
夏:そうじゃなくてさ、機械は学校行かないんじゃないかな……。

【前向きな検討】
啓:たまにスーパーに来るきぐるみに入ってみたい。
夏:暑いらしいよ。
啓:防寒具として優秀なのか……。

【芸人ゆえ】
啓:売ってないかな。
夏:売ってても高いと思うけど。
啓:なら普通にコートを買ったほうが良いのか。
夏:絶対コートのほうが安いよ!
啓:だが、笑いは取れない!
夏:取る必要がなんであるのよ!?

【胃弱ありがとう】
風:チョコレートってさ、どうしてあんなに胃にくるんだろうね。
啓:ふ、風花さんくらいですよそれ……。
風:だから啓輔に上げちゃうんだよね。
啓:ありがとうございます!

【限界を知ってください】
啓:でも風花はもちっと丈夫にならんとな。
風:うん。学校から帰ってきたら犬のお散歩に行ってるよ。
啓:犬も喜び一石二鳥だな。
風:調子良いときに無理して、気がついたら病院のベッドだったことがあるの。

【食の勇者】
啓:オレは、断固として戦った!
夏:どうせまたくだらないことでしょ?
啓:――違う。オレは戦ったことにより勇者となった。
夏:ふぅん? 何と戦ったのよ?
啓:近所のスーパーの、水産コーナーだ!

【途中で聞くのが嫌になった】
風:なんで戦ったの?
啓:一時、水産コーナーの品揃えが悪くなって、近所のおば様方が騒然としたのだ。
夏:……そ、そう。
啓:晩御飯の危機に、オレは投書という手段で戦うべきだとおば様方に提案し、実行に移した。
 しかし敵も中々でな、申し訳ございませんといいつつ少しも改善せず、品揃えが悪くなって一ヶ月、
 ついにおば様方の堪忍袋の緒が――
風:改善されたんだね、良かったね!

【見限ります】
風:夏子は品揃えが悪くなったらどうするの?
夏:まあ、店ってそこだけじゃないからね。
風:だよねー。

【組織ぐるみへの偏見】
啓:近くの店が充実していたら嬉しいだろ。
夏:そうだけど、そこまでしたくなもん。
啓:やったのは集団投書だぞ?
夏:正当性はあるのに嫌がらせみたいね。

【ひとつおかしいのあった】
夏:食パンに塗るものといえば?
風:イチゴジャム。
理:マーガリン!
麻:……なめこ。
啓:マーマレード!
夏:ちょっと待って!?

【ひとつ耳を疑うのがあった】
啓:よ、よし。質問を変えよう。目玉焼きにかけるものといえば?
夏:しょうゆ。
博:女性の体液。
風:塩コショウ。
麻:……なまこ。
理:ソース!
啓:夏子、まず博を捕まえてくれ!
夏:言われなくてもっ!!

【笑顔で了承された】
啓:気持ちを改めて――味噌汁の具といえば?
風:お豆腐。
理:千切り大根!
元:じゃがいもとたまねぎ。
夏:えっと、油揚げ。
麻:……なめこ。
博:女性の体毛。
啓:夏子! 博を殺すのを手伝ってくれ!

【あなた以外答えられません】
啓:博が困る質問にすればいいのか!
麻:……では、念を飛ばしやすい環境といえば?
風:…………。
理:えっ……。
夏:…………。
博:う〜ん……。
麻:……え?
啓:え? じゃねえ!!

【何がちなみだ】
理:夏子さんてどの武器の扱いが得意なんですか?
夏:あんた人をなんだと思っているの?
理:ちなみに啓くんは拳です。
夏:聞いてないわよ!

【日頃の行い】
博:修学旅行ですることといえば!?
夏:通報します。
博:まだ何も言ってないだろ!?

【二択です】
啓:愛と金、どっちが大事?
風:健康。

【だらか二択です】
風:啓輔はどっちが大事なの?
啓:両方。

【力強い否定】
啓:人間、テン張ると何をしでかすか判らんよな……。
夏:一緒にしないで!

【頑なな否定】
啓:オレも人間ですよ?
夏:それとこれとは別!

【具合の悪くなる絵】
啓:中学の美術の時間に描いた絵を発見したんだ。
風:へー、見てみたい。
啓:いいぞ。
風:ありがとう! あ――………………。
啓:あれ風花顔色悪いぞ? 貧血か?
風:………………。

【恐怖を与える絵】
夏:何を見たの?
風:ううう…………。
元:風花が泣くだなんて! 何を見せたんだ!?
啓:ただの普通の猫だよ!
元:猫で泣くもんか――うわあああああああああああああああ!!

【同情された】
風:啓輔ってどうして近所の人と仲が良いの?
啓:初めて家賃を渡しに言ったときにさ、すごい腹の音が鳴ってさ。
 ちょうど近所のおば様方とお茶してたときで。

【料理か?】
理:啓くん啓くん。お料理について質問です。
啓:うむ、どーんときたまえ。
理:にくあつって、憎いアイツの略称ですか?
啓:分厚い肉のことだ。




面白かったら押してください。一言感想もこちらに↓





記念部屋あるふぁに戻る
誰かのためのおとぎ話トップへ
トップに戻る

inserted by FC2 system